MotoGP第5戦フランスGPの決勝レースが、フランスのル・マン、ブガッティサーキットで行なわれた。決勝日も好天に恵まれ、各クラス、ドライコンディションで争われた。
MotoGPクラスはマルク・マルケス(ホンダRC213V)が優勝した。
気温23度、路面温度42度のドライコンディションで争われたMotoGPクラスの決勝レースで、1周目にトップに立ったのはアンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティGP14)。ステファン・ブラドル(ホンダRC213V)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハYZR-M1)、ポル・エスパロガロ(ヤマハYZR-M1)の順で続き、スタート直後にラインを外したマルケスは、10番手で1周目を終えた。
3周目にロッシが2番手に上がり、さらに4周目にはロッシはトップに浮上する。マルケスは毎周前を行くライダーをかわし、7周目にはホルヘ・ロレンソ(ヤマハYZR-M1)をかわして4番手に復帰。10周目にブラドルをかわして3番手に上がると、11周目にはポル・エスパロガロをかわしてロッシの背後に迫り、レース中盤の13周目にはロッシをかわしてトップに立つ。トップに立ったマルケスはロッシとの差を広げると、レース終盤は単独トップのままチェッカーを受けて開幕5連勝、5戦連続ポールtoウインを達成。MotoGPクラスでの5連勝は2008年のロッシ以来、5戦連続ポールポジションは2008年のケーシー・ストーナー以来の記録となり、開幕5連勝は1972年のジャコモ・アゴスチーニ以来。マイク・ヘイルウッドが1962年に樹立した5連勝の史上最年少記録(22歳と160日)を21歳と90日で更新し、1997年のミック・ドゥーハン以来となる5戦連続ポールtoフィニッシュと記録尽くしの勝利となった。
ロッシはマルケスには先行されたもののポジションを守り、前戦スペインに続いての2位入賞。3位に追い上げたアルバロ・バウティスタ(ホンダRC213V)が、今シーズン初表彰台を獲得。
ポル・エスパロガロはMotoGP自己ベストとなる4位でチェッカーを受け、終盤に追い上げたダニ・ペドロサ(ホンダRC213V)が5位、ロレンソが6位でゴールした。ブラドルが7位、ドビジオーゾが8位フィニッシュ。オープンクラストップとなる9位にアレックス・エスパロガロ(フォワード-ヤマハ)が入賞。10位にブラッドリー・スミス(ヤマハYZR-M1)が続いた。
カル・クロッチロウ(ドゥカティGP14)は11位。スコット・レディング(ホンダRCV1000R)が12位、ヨニー・ヘルナンデス(ドゥカティGP14)が13位、青山 博一(ホンダRCV1000R)が14位、カレル・アブラハム(ホンダRCV1000R)が15位で入賞。
以下、16位にマイケル・ラバティ(PBM)。17位にコーリン・エドワーズ(フォワード-ヤマハ)。18位にブロック・パークス(PBM)。19位にマイク・デ・ミオ(FTR)の順で続いた。
アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティGP14)、エクトル・バルベラ(FTR)、ニッキー・ヘイデン(ホンダRCV1000R)は転倒リタイアに終わった。
Moto2クラスではミカ・カーリョ(カレックス)が優勝。カーリョは1周目からトップに立ち、シモーネ・コルシ(フォワード・KLX)、ルイス・サロム(ポンス・カレックス)の順で続きトップ集団を形成。3周目にコルシがトップに立つと、18周目までコルシがレースリーダーとなる。しかし、19周目にカーリョがコルシをかわしてトップに立ち、リードを広げ単独トップに立つ。
カーリョはこのリードを守り、前戦スペインに続いて2勝目を記録。コルシが今シーズン初表彰台となる2位に入賞した。レース終盤まで3番手をキープしていたサロムは、残り4周でエステブ・ラバット(カレックス)にかわされてしまう。序盤からトップ争いの3台から離され、4番手争いの先頭を走っていたラバットは、サロムをかわして3番手に浮上すると、2番手のコルシを追ったが、その差を縮めることはできず、3位入賞。ランキングトップの座を守った。
サロムは残り2周でマーベリック・ビニャーレス(カレックス)にもかわされてしまい、ビニャーレスが4位、サロムが5位でチェッカーを受けた。ポールポジションからスタートしたジョナス・フォルガー(カレックス)はセカンドグループから抜け出すことができず、6位でゴール。
7番手争いをドミニケ・エジャーター(スーター)、トーマス・ルティ(スーター)の二人のスイス人ライダーが展開。ルティは終盤まで7番手をキープしていたものの、残り2周でエジャーターが逆転。7位にエジャーター、8位にルティの順でゴール。9位にサム・ロウズ(スピードアップ)、10位にフランコ・モルビデリ(カレックス)の順で続いた。
21番手からスタートした中上 貴晶(カレックス)は、着実にポジションを上げて入賞圏内まで迫っていたものの、17周目にコースオフを喫し16位でゴール。長島 哲太(TSR)は6周目に転倒リタイアに終わった。
Moto3クラスはジャック・ミラー(KTM)が優勝した。レース序盤をリードしたのはミラー、エフレン・バスケス(ホンダ)、アレックス・リンス(ホンダ)。しかし、トップ争いは7台前後の集団に膨れあがる。5周目にリンスがトップに浮上。9周目に2番手以下の集団の争いが激しくなる中、リンスと2番手以下の差が少し開く。レース中盤、リンスは2番手以下に1秒8まで差を広げたものの、15周目あたりからその差が縮まり始める。レース終盤にはリンスの背後に後続が追いつき、トップ争いは再び集団となってしまう。
19周目にバスケスがトップに浮上。リンスと激しいトップ争いを展開する。この時点でトップ二人と3番手以下の集団の間には約1秒の差があった。トップの二人が激しくポジションを争う中、残り2周でその差を詰めたミラーが追いつき、23周目にはトップに浮上。トップ争いはミラーとバスケスのサイドbyサイドの戦いとなる。
そして、最終ラップの11コーナーでバスケスがミラーのインを差そうとするが、ミラーがかぶせ、行き場を失ったバスケスは大きくラインを外してしまう。ミラーがトップでチェッカーを受け、今シーズン3勝目を記録。2位にリンス、3位にイサック・ビニャーレス(KTM)が入賞。リンスは前戦スペインに続く表彰台に立ち、ビニャーレスはグランプリ初表彰台を獲得した。
4位にフランシスコ・バグナイア(KTM)、5位にアレックス・マルケス(ホンダ)が続き、バスケスは6位に終わる。7位にアレナ・バスティアニーニ(KTM)。8位にジョン・マクフィー(ホンダ)。9位にアレックス・マスブー(ホンダ)。10位にヤコブ・コンフェイル(KTM)と、上位10名のライダーは僅差でチェッカーを受けた。
ミラーは104ポイントでランキングトップの座をキープ。ランキング2位のロマーノ・フェナティ(KTM)がマシントラブルによりリタイアに終わったことから、ミラーとフェナティのポイント差は30ポイントに広がった。