マルクの圧勝に終わったアルゼンチンGP
2019/04/07
アルゼンチンGPのMotoGPクラスはマルク・マルケスの圧勝でした。
マルケスはFP2と出走しなかったQ1を除く全セッションでトップタイムを記録。決勝では1周を終えて、2番手以下に約1秒というリードを築くと、その後、ただ一人1分39秒台を連発。周回ごとにさらにリードを広げ、25周のレースの折り返し点となる13周目には約9秒、終盤には最大約12秒のリードを取ると、最終ラップは余裕のクルージングで、2位のバレンティーノ・ロッシに9秒816の差をつけて独走で優勝しました。
マルケスはテルマス・デ・リオ・オンドで、2014年と2016年に優勝しており、2018年を除いて、6シーズンで5回ポールポジションを獲得しています。このことからも、テルマスは、マルケスにとって得意なコースと言えるでしょう。
ただ、2015年の決勝ではバレンティーノ・ロッシとのトップ争いの接近戦のバトル中に接触転倒。昨年は不安定な天候によるスタートの混乱の中、グリッドでエンジンが止まり、すぐに押し掛けで再始動できたものの、この再始動のプロセスに対してライドスルーペナルティを取られました。さらに、ペナルティ消化後の追い上げ途中に、やや強引にロッシのインを突いた際に接触、ロッシをアウト側のグラベルに押し出す形で転倒させてしまい、これが危険走行と判断され、レース結果に30秒のペナルティを取られ、最終的に18位となるなど、マルケスにとって因縁のあるコースでもあります。
今年のマルケスはFP1から決勝に向けて準備を整え、初めから独走で勝ちをねらっていたように見えます。FP1では前後ソフトタイヤ1セットで18周を走り、最終ラップに1分39秒827のベストを記録。FP2ではフロントのミディアムとハードを試し、セッション8番手に終わったものの、FP3ではフロントハードとソフト、リアはミディアムとソフトの組み合わせを試しながら、3回目のコースインで前後ソフトのニュータイヤを履くと、1分38秒台を連発します。
Q2直前のFP4では1回目のコースイン直後にトラブルに見舞われるという計算外の出来事がありましたが、マシンを乗り換えてトップタイムを記録。そして、Q2ではアタック2回目でミスしたものの、3回目のアタックでウイーク中の最速ラップとなる1分38秒304を記録してポールポジションを獲得します。他のライダーが2回のアタックでQ2に臨んだ中、マルケスは当初から3回のアタックを行なう予定だったとのことです。
そして、決勝朝のウォームアップセッションは雲が低くたれこめ、天候の変化も予感させるセッションとなりました、ほとんどのライダーがスリックでコースに出た中、マルケスは前後ウエットタイヤを履いてコースイン。おそらくこれは決勝が天候の急変でフラッグtoフラッグになることを想定して、ウエットタイヤの皮むきを行なったのではないかと思われます。このように、アルゼンチンGPのウイーク中、マルケスは全てのセッションで周到な準備を行なっていました。それが、決勝での圧倒的な独走につながったのです。
「今日は完ぺきな一日になりました。今大会は、FP1から集中してきましたが、すべてがうまくいきました。FP4でちょっとした問題がありましたが、プッシュし続けました。決勝では、序盤の5周のペースがだれにも負けないことがわかっていたので、そこで全力を出しました。周回するごとに、後続との差が1秒、2秒、3秒と広がったのを確認し、そこからは自分のリズムで落ち着いて走りました。そのあとも、少し力を抜いてプッシュしましたが、マシンのフィーリングはとてもスムーズで、タイヤとマシンをうまくコンロトールすることができました」と決勝を終えてマルケスは語っています。
次戦のアメリカズGPは、マルケスが得意とするCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)が舞台となります。COTAでは2013年から6連勝を飾っており、今年も優勝候補の最右翼ということが言えます。(ライディングスポーツ編集部/ura!)
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