MotoGP第4戦スペインGPは、スペインのヘレスサーキットで決勝レースを行なった。決勝日も好天に恵まれ、気温、路面温度共に上昇するコンディションの中、各クラスの決勝が争われた。
MotoGPクラスでは、マルク・マルケス(ホンダRC213V)が優勝した。MotoGPクラスの決勝レースは気温28度、路面温度48度のドライコンディションで行なわれた。
ポールポジションからスタートしたマルケスは、好スタートでトップに立つが、1周目のバックストレートエンドでバレンティーノ・ロッシ(ヤマハYZR-M1)がトップに浮上する。マルケスは最終コーナーでトップを奪還するも、2周目の1コーナー立ち上がりでややラインがワイドになり、続く2コーナーの進入でロッシが再びトップを奪還する。
しかし、今度はマルケスがバックストレートエンドでロッシをパス。ここからマルケスはトップをキープし、4周目にはロッシに1秒以上のリードを取ると、周回を重ねるごとにその差を広げ、レース中盤には約4秒のリードを取ってトップを独走。終盤にはペースを落とし、ウイリーでチェッカーを受ける余裕を見せた。マルケスはグランプリ通算100戦目のレースを優勝と共に開幕から4戦連続ポールtoウインの4連勝で飾りヘレス初優勝を記録。
2番手争いは、マルケスが逃げた後にロッシ、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハYZR-M1)、ダニ・ペドロサ(ホンダRC213V)が接近したまま周回を重ねたが、ロッシが終始リード。ポジションの入れ替えを伴うバトルに発展することはなかった。中盤過ぎまで3番手をキープしていたロレンソはペースが上がらず、21周目のバックストレートエンドでペドロサがロレンソをかわして3番手に浮上。ここから最終ラップまでペドロサはロッシを追ったものの、前に出ることはできず、ロッシが逃げ切って2位入賞。僅差の3位にペドロサが入賞した。ロレンソはペドロサにかわされた後に二人から遅れ、約7秒差の単独4位でチェッカーとなった。
序盤からトップ4台に差をつけられたアンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティGP14)は、一時5番手をキープしていたものの、レース中盤にはアレックス・エスパロガロ(フォワード-ヤマハ)が背後に迫る。さらにレース終盤にはアルバロ・バウティスタ(ホンダRC213V)、ブラッドリー・スミス(ヤマハYZR-M1)も加わって、接戦のバトルが展開された。ドビジオーゾは何度か集団の中に飲み込まれたものの、最後は接戦を制して5位入賞。バウティスタが6位に入賞して今シーズン初完走、初ポイントを獲得。アレックス・エスパロガロは終盤、何度か集団の先頭に立ちながらも最後に前に出ることができず7位でゴール。オープンクラスのトップとなった。僅差の8位にスミスが続き、9位にポル・エスパロガロ(ヤマハYZR-M1)が入賞。ポル・エスパロガロも5番手争いに加わっていたものの、終盤に遅れてしまった。10位にステファン・ブラドル(ホンダRC213V)が入賞。ブラドルも5番手争いに加わりながら終盤ペースが上がらず後退。16周目に大きくラインを外したところでポル・エスパロガロにも追いつかれ、最後はポル・エスパロガロから3秒4遅れの10位でチェッカーとなった。
ニッキー・ヘイデン(ホンダRCV1000R)が11位入賞。青山 博一(ホンダRCV1000R)は、スタート直後は17番手付近を走行。その後、周回を重ねるごとにポジションを上げ、終盤はスコット・レディング(ホンダRCV1000R)と接戦の12番手争いを制して12位に入賞。レディングは青山にかわされた後に遅れ始め、13位でゴールとなった。ヨニー・ヘルナンデス(ドゥカティGP14)が14位、エクトル・バルベラ(FTR)が15位に入賞。16位にマイケル・ラバティ(PBM)、17位にブロック・パークス(PBM)の順で続いた。
カル・クロッチロウ(ドゥカティGP14)は、マシントラブルにより6周を終えてピットに戻ってリタイア。ミケーレ・ピロ(ドゥカティ GP14)は3周目に転倒リタイア。カレル・アブラハム(ホンダRCV1000R)は3周目に転倒、再スタートしたものの、11周を終えてピットに戻りリタイア。アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティGP14)は7周目に転倒、再スタートしたものの、ピットに戻ってリタイア。コーリン・エドワーズ(フォワード-ヤマハ)は残り1周でマシントラブルでリタイア。マイク・デ・ミオ(FTR)は23周を終えてピットに戻りリタイア。ダニロ・ペトルッチ(ART)は朝のウオームアップで転倒、左手首を骨折したため、決勝を欠場した。
Moto2クラスではミカ・カーリョ(カレックス)が優勝。ポールポジションからスタートしたカーリョは、スタートからトップに立つと、4周目には2番手以下に1秒以上のリードを取り、その差を少しずつ広げながらトップを独走。2番手にドミニケ・エジャーター(スーター)、3番手にジョナス・フォルガー(カレックス)が続く。レース中盤にエジャーターがカーリョとの差を少しずつ縮めていくものの、背後に迫るまでには至らず。レース終盤にはその差を広げたカーリョが、一度もトップの座を譲ることなくポールtoウインのパーフェクトウインを達成した。カーリョは昨年のチェコGP以来となるMoto2クラス2勝目を達成。
2位続いたエジャーターが今季2度目の表彰台を獲得して、Moto2クラスでのベストリザルトを更新。3位にフォルガーが入賞し、Moto2クラス初表彰台を獲得した。
序盤はセカンドグループの後方に埋もれていたエステブ・ラバット(カレックス)は、周回を重ねるごとにポジションを上げて8周目には4番手に浮上。しかしこの時点で3番手を行くフォルガーとは4秒近い差があり、終盤にはその差を2秒以内までに縮めたものの、勝負に持ち込むことはできず4位でチェッカーを受けた。
レース終盤、チームメイト同士のバトルとなった5番手争いは、マーベリック・ビニャーレス(カレックス)が逃げ切って5位入賞。序盤は単独4番手を走っていたルイス・サロム(ポンス・カレックス)は、レース終盤にペースが上がらずポジションを落とし、最後はビニャーレスにかわされて6位でゴールとなった。
7位にハビエル・シメオン(スーター)、8位にヨハン・ザルコ(ケータハム・スーター)、9位にサンドロ・コルテセ(カレックス)。10位にトーマス・ルティ(スーター)が続き、長島 哲太(TSR)は22位でゴール。中上 貴晶(カレックス)は1周目15番手から着実にポジションを上げ、レース終盤には11位を走行。10位のルティとの差を着実に縮めていたものの、最終ラップに転倒、チェッカーを受けることができなかった。
Moto3クラスはロマーノ・フェナティ(KTM)が優勝した。好スタートを切ったニッコロ・アントネッリ(KTM)にポールスタートのジャック・ミラー(KTM)が続き、1周目をトップで終えたのはミラー。2周目のバックストレートエンドでエフレン・バスケス(ホンダ)がトップに立ち、レース序盤は10人前後のマシンが激しく順位を入れ替えながらトップ集団を形成する。アントネッリは3周目に、バックストレートエンドのドライサックコーナーで他車と接触して転倒。再スタートしたものの大きく遅れてしまう。
予選10番手からスタートしたフェナティが5周目にトップに立つが、その後、アレックス・リンス(ホンダ)がトップを奪う。中盤、トップ集団は8人のライダーに絞られて接戦を展開。ポイントリーダーのミラーはトップ集団にはつけていたものの、なかなか前に出ることができずにいた。
レース終盤になるとフェナティ、バスケス、リンス、イサック・ビニャーレス(KTM)、ミラーの5人によるトップ争いとなり、フェナティがトップをキープ。リンスとバスケスが激しく順位を争う中、最終ラップにはフェナティがやや二人をリードするかに見えた。しかし、最終ラップの最終コーナー進入でフェナティのインをつくリンス。ところが、リンスは突っ込みすぎてラインを外してしまい、その間にフェナティがトップに出てそのままチェッカー。バスケスが2位に続き、リンスは3位となった。
フェナティは前戦アルゼンチンに続いて2連勝を記録。この勝利はKTMにとってグランプリ通算50勝目となった。バスケスは今季ベストとなる2位入賞で3回目の表彰台を獲得。リンスは今季初表彰台となる3位入賞を果たした。
23周のレースの22周目に自己ベストラップを記録したミラーだが追い上げ及ばず、最後はトップ争いに加わることができずに4位でゴール。今季初めて表彰台を逃した。僅差の5位にビニャーレス、6位にヤコブ・コンフェイル(KTM)が入賞。アレックス・マルケス(ホンダ)は終盤にトップ争いから遅れ、7位でゴール。8位にフランシスコ・バグナイア(KTM)、9位にアレナ・バスティアニーニ(KTM)10位にニコラス・アジョ(ハスクバーナ)が入賞した。