MotoGP第3戦アルゼンチンGPはアルゼンチンのアウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドで決勝レースを行なった。決勝日は好天に恵まれ、各クラス白熱のバトルが繰り広げられた。
気温24度、路面温度21度のドライコンディションで争われたMotoGPクラスの決勝レースはマルク・マルケス(ホンダRC213V)が優勝した。
スタートでトップに立ったのはホルヘ・ロレンソ(ヤマハYZR-M1)。2番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハYZR-M1)が続く。ダニ・ペドロサ(ホンダRC213V)が3番手、マルケスは4番手で1周目を終えた。
レース序盤の主導権をロレンソが握り、マルケスは4周目に2番手に浮上するものの、その時点でトップのロレンソは1秒のリードを持っていた。しかし、マルケスはその差を周回ごとに縮め、テールtoノーズのトップ争いを展開する。25周のレースの中盤過ぎまで続いた二人のバトルは17周目にマルケスがトップに立つと、その後一気にリードを広げてポールtoウインで開幕3連勝を達成。この勝利は2001年のロッシ以来、MotoGPクラスでは13年ぶりの開幕3連勝となり、1971年のジャコモ・アゴスチーニ以来43年ぶりとなる開幕3戦連続ポールtoウインという記録となった。
2番手争いはペドロサが終盤にロレンソを追い上げ、24周目にかわして2番手に浮上すると、そのまま2位でチェッカーを受け、レプソル・ホンダが前戦に続いてワンツーフィニッシュを達成。ロレンソは終盤にペースが上がらなかったものの、今シーズン初表彰台となる3位を獲得した。
ロッシは序盤からステファン・ブラドル(ホンダRC213V)、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティGP14)と4番手争いを展開。レース中盤の13周目以降4番手争いの先頭に立ち、終盤にはリードを広げて、単独4位でチェッカーを受けた。5位にブラドル、6位にイアンノーネが続き、イアンノーネの6位入賞はMotoGPクラスのベストリザルトとなった。
7位にブラッドリー・スミス(ヤマハYZR-M1)。8位にポル・エスパロガロ(ヤマハYZR-M1)。9位にアンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティGP14)。青山 博一(ホンダRCV1000R)がオープンクラストップとなる10位入賞を果たした。青山は1周目16番手から着実にポジションアップ。レース中盤以降、ニッキー・ヘイデン(ホンダRCV1000R)、ヨニー・ヘルナンデス(ドゥカティGP14)と接戦を繰り広げ、残り2周でヘルナンデス、最終ラップでヘイデンをかわしてクラストップでチェッカーを受けた。
ヘイデンが11位、ヘルナンデスが12位でゴール。カレル・アブラハム(ホンダRCV1000R)が13位。
14位にスコット・レディング(ホンダRCV1000R)が入賞。アレックス・エスパロガロ(フォワード-ヤマハ)は2周目に転倒し再スタート、最下位から追い上げての15位入賞となった。
以下、16位にエクトル・バルベラ(FTR)。17位にミケーレ・ピロ(ドゥカティ GP14)。18位にマイケル・ラバティ(PBM)。19位にマイク・デ・ミオ(FTR)。20位にコーリン・エドワーズ(フォワード-ヤマハ)。21位にブロック・パークス(PBM)の順で続き、アルバロ・バウティスタ(ホンダRC213V)とダニロ・ペトルッチ(ART)はスタート直後にそれぞれ転倒リタイアに終わった。
Moto2クラスではエステブ・ラバット(カレックス)が優勝。ポールポジションスタートのラバットはスタートでトップに立つと、1周目からレースをリード。レース序盤こそハビエル・シメオン(スーター)がラバットを追ったが、中盤以降はその差が開き、ラバットは独走でポールtoウインを達成。今季2勝目を飾り、ランキングトップをキープした。
シメオンはラバットに勝負をかけることはできなかったものの、単独2位をキープして周回を重ね、Moto2クラスで通算2度目の表彰台となる2位入賞を果たした。3位争いは終盤、ルイス・サロム(ポンス・カレックス)、シモーネ・コルシ(フォワード・KLX)、ドミニケ・エジャーター(スーター)の3人による接戦が展開。Moto2ルーキーのサロムが23周のレースの21周目にコルシをかわして2番手に浮上すると、ファステストラップを記録して逃げ切りに成功。Moto2クラス初表彰台を獲得した。
最終ラップまで続いたコルシとエジャーターの4番手争いは、最終ラップの13コーナーでエジャーターがコルシをかわして4位入賞。僅差の5位にコルシが続いた。
6位にアレックス・デ・アンジェリス(スーター)。7位にミカ・カーリョ(カレックス)。8位にサム・ロウズ(スピードアップ)。9位にサンドロ・コルテセ(カレックス)。10位にジョルディ・トーレス(スーター)の順で続き、中上 貴晶(カレックス)は15位入賞。長島 哲太(TSR)は31位でチェッカーを受けた。
前戦のウイナー、マーベリック・ビニャーレス(カレックス)は転倒リタイアに終わった。
Moto3クラスではロマーノ・フェナティ(KTM)が優勝。Moto3クラスの決勝レースは気温22度、路面温度21度のドライコンディションで争われた。
好スタートで1コーナーを制したエフレン・バスケス(ホンダ)だったが、1周目にフェナティがトップに立つ。序盤は12人のライダーがトップ集団を形成。その中からジャック・ミラー(KTM)、フェナティ、バスケスの3人がやや抜け出し、ポジションを入れ替えながら激しいトップ争いを展開する。
レース中盤になると、トップ争いの3台にアレックス・マルケス(ホンダ)、アレックス・リンス(ホンダ)が追いつき、5台でのトップ争いとなる。この中から14周目にラインを外したバスケスがトップ争いから脱落。代わって、追い上げてきたリビオ・ロイ(カレックス‐KTM)が4番手に浮上。レース終盤にはトップを争う3人に追いつく。
レース終盤、フェナティ、ミラー、マルケスの3人がスリップストリームを使い合いながら接戦のポジション争いを展開。ミラーがトップで最終コーナー手前の13コーナーに進入するが、マルケスのインを差したフェナティとマルケスがわずかに接触。さらにフェナティはミラーにも接触してミラーはラインを大きく外す。これでフェナティがトップでチェッカーを受け、2位にマルケス、3位にミラーの順で続いたが、フェナティの接触を巡って最終リザルトはレースディレクションの裁定待ちとなった。
最終的にペナルティを受けることなくフェナティの優勝が確定。2012年のスペインGP以来となるグランプリ通算2勝目となった。マルケスが2位、ミラーが3位で続いたが、3連勝を逃したミラーは表彰台の上でやや不服の表情を見せていた。ロイはグランプリベストとなる4位入賞。5位にはアレックス・リンス(ホンダ)、バスケスは6位フィニッシュ。イサック・ビニャーレス(KTM)が7位。ニコラス・アジョ(ハスクバーナ)が8位に、ダニー・ケント(ハスクバーナ)が9位に、アレナ・バスティアニーニ(KTM)が10位に入賞した。