好天に恵まれた決勝日。J-GP3クラスの決勝は午前10時過ぎにスタート。ホールショットを奪ったのはポールシッターの徳留真紀(CLUB PLUSONE)。逆転チャンピオンをねらう栗原佳祐(MuSASHi RT ハルク・プロ)が2番手。伊達悠太(BATTLE FACTORY)がピタリと背後につける。この3台が後続を引き離して周回を開始。中村大輝(Honda Team Asia)、安村武志(犬の乳酸菌/プリミティブR.T)、船田俊希(FLEX Racing TEAM)、古市右京(KTM RACING. ASPIRATION)の4台が4位争い集団を形成。しかし2周目に中村と船田が転倒。このアクシデントをきっかけに安村は4番手を単独走行、古市は後続集団に飲み込まれる。
3周目。伊達が2台抜きを演じてトップ浮上。それを見た栗原がすぐに伊達を捕えて首位奪取。以降も3台はそこここで順位を入れ替えるドッグファイトを展開。
レース終盤。徳留と栗原の争いがさらに激化。栗原、伊達、徳留の順で最終ラップに突入。徳留がすぐに伊達を捕えて2番手浮上。しかし再び伊達が徳留の前に出る。最終シケインで徳留が伊達を捕える。栗原は逃げ切り優勝。徳留は伊達を抑えて2位でチェッカーを受けて4年ぶりのチャンピオン獲得。伊達は3位表彰台を得た。
●優勝・栗原 佳祐(MuSASHi RT ハルク・プロ)
「前戦岡山でミスしたため、タイトル争いは厳しい状況で最終戦を迎えました。初日から二日目にかけて徳留選手が抜きんでていましたが、自分には失うものは何もないので、とにかく前に行こうと、気持ちを持ち直しました。予選、朝フリーはいい方向に進められました。徳留選手は2分18秒2くらいで周回するだろうと予想して、そこに合わせてセッティングして、いいレースができたと思います。チャンピオンは取れませんでしたが、優勝できてよかったです」
●2位・徳留 真紀(CLUB PLUSONE)
「スタートが決まり、自分のペースで走れば後続は引き離せると思っていましたが、2台が付いてきたので、どうしようかなって考えながら走りました。伊達選手もいたから、僕や栗原選手にとってはタイトル争いの動向を左右する存在でした。最後に伊達選手を抜くことができ、本当は勝ちたかったですが、僕にとってはチャンピオンが最優先でした。チーム、スポンサーの気持ちにこたえることができてうれしいです」
●3位・伊達 悠太(BATTLE FACTORY)
「今シーズンは最初からノーマルバイクでどれだけトップ争いに絡めるかを課題にしていました。レース前半はトップ集団にいられても、後半に離される展開が多く、レース最後までトップ集団にいることができないレースが続きました。でも鈴鹿はチームの地元だし、今年一番走っているコースでした。レースの最中は、徳留選手と栗原選手のタイトル争いのことは忘れていました。終了後に気づいてまずかったかなと思いました。二人が速かったから、次に向けて自分でタイムを出せるようにすることが課題です」