MotoGP第11戦チェコGPは、チェコのブルノサーキットで決勝レースを行なった。
MotoGPクラスでは、ダニ・ペドロサ(ホンダRC213V)が優勝。MotoGPクラスの決勝レースは気温17度、路面温度23度のドライコンディションで争われた。スタートで飛び出したのはアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティGP14)。アンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティGP14)が続き、イアンノーネが1周目をトップで戻って来る。2周目の3コーナーでホルヘ・ロレンソ(ヤマハYZR-M1)がイアンノーネをかわしてトップに立ち、逃げに入る。3周目にペドロサは2番手に浮上。この時点でロレンソとの差はコンマ853秒あったが、ペドロサはその差を縮め、6周目の3コーナーでロレンソをかわしてトップに浮上する。トップに立ったペドロサは、ロレンソとの差を広げ、レース中盤の11周目にはその差が約1秒5に広がる。14周目にその差を約1秒9まで広げたペドロサは終盤にロレンソとの差が縮まったものの、ロレンソも勝負を仕掛けるには至らず、0秒410差で逃げ切ったペドロサが今シーズン初優勝を達成。ロレンソが2位で続いた。
3番手争いはレース序盤、イアンノーネとマルク・マルケス(ホンダRC213V)が激しく争う。スタートで出遅れたマルケスは1周目を5番手で終え、5周目にはイアンノーネをかわして3位に浮上するが、ここでマルケスに果敢にバトルを挑んだイアンノーネがポジションを取り返す。このバトルの間にトップ2台との差が広がる結果となった。
マルケスはイアンノーネとのバトルに競り勝ち、レース中盤まで3番手をキープするものの、中盤以降はペースが上がらず、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハYZR-M1)の接近を許してしまう。ロッシは13周目の6コーナーでマルケスをかわして3番手に浮上。ペースの上がらないマルケスを少しずつ引き離していく。17周目にはマルケスとの差を1秒以上に広げたロッシはそのまま単独3位をキープし、表彰台を獲得した。
マルケスは最終的にロッシから約5秒遅れの単独4位でチェッカーを受け、開幕戦から続いていた連勝記録は10でストップ。今シーズン初めて表彰台を逃す結果となった。
5位争いはイアンノーネとドビジオーゾの二人が終盤まで接戦のバトルを繰り広げる。16周目にドビジオーゾが前に出たものの、19周目にイアンノーネがポジションを奪い返し、イアンノーネが5位、ドビジオーゾが6位でチェッカーを受けた。
7位にステファン・ブラドル(ホンダRC213V)。8位にアレックス・エスパロガロ(フォワード-ヤマハ)。9位にブラッドリー・スミス(ヤマハYZR-M1)。10位にアルバロ・バウティスタ(ホンダRC213V)が続いた。スコット・レディング(ホンダRCV1000R)は終盤にミケーレ・ピロ(ドゥカティGP14)をかわして11位に入賞。ピロは最終ラップで青山 博一(ホンダRCV1000R)に背後を脅かされたものの、12位でゴール。青山はピロとコンマ181秒の僅差で13位入賞。14位にホームレースのカレル・アブラハム(ホンダRCV1000R)。15位にレオン・キャミア(ホンダRCV1000R)が入賞した。
16位にアレックス・デ・アンジェリス(フォワード-ヤマハ)。17位にエクトル・バルベラ(FTR)。18位にマイク・デ・ミオ(FTR)、19位にブロック・パークス(PBM)。ダニロ・ペトルッチ(ART)は残り2周でリタイア。カル・クロッチロウ(ドゥカティGP14)は2周目に転倒し、再スタートしたものの、ピットに戻ってリタイア。ポル・エスパロガロ(ヤマハYZR-M1)、マイケル・ラバティ(PBM)はそれぞれ7周目に転倒でリタイア。ヨニー・ヘルナンデス(ドゥカティGP14)は5周を終えたところでピットに戻り、リタイアとなった。
Moto2クラスはエステブ・ラバット(カレックス)が優勝。Moto2クラスの決勝レースは気温17度、路面温度26度のドライコンディションで争われた。ラバットは好スタートを決めると1周目からレースをリード。3周目に1秒、10周目に2秒以上のリードを2番手以下につけると、一度もトップの座を譲ることなく20周のレースを走り切り、前戦インディアナポリスに続いて今シーズン6勝目を記録した。チームメイトのミカ・カーリョ(カレックス)は3周目に2位浮上。その後単独2位をキープしたままチェッカーを受け、マークVDSチームが前戦に続いてワンツーフィニッシュを達成。5周目に3位に浮上したサンドロ・コルテセ(カレックス)がそのポジションを守りきり、Moto2クラス初表彰台に立った。
4位にトーマス・ルティ(スーター)、5位にドミニク・アガター(スーター)、6位にマーベリック・ビニャーレス(カレックス)が続く。フリアン・シモン(カレックス)が7位、フランコ・モルビデリ(カレックス)が8位、ヨハン・ザルコ(ケータハム・スーター)が9位、マーセル・シュローター(テック3)は10位でゴール。
中上 貴晶(カレックス)は19位でチェッカーを受け、長島 哲太(TSR)は4周目の3コーナーで転倒リタイアに終わった。
Moto3クラスはアレックス・マスブー(ホンダ)が優勝。Moto3クラスの決勝レースは気温16度、路面温度23度のドライコンディションで争われた。スタートから大集団のバトルが続き、レース中盤過ぎまでは17台が、終盤には15台が僅差のトップ集団を形成。アレックス・マルケス(ホンダ)、アレナ・バスティアニーニ(KTM)、マスブー、ブラッド・ビンダー(マヒンドラ)、アレックス・リンス(ホンダ)、ジャック・ミラー(KTM)がトップを激しく入れ替えながら、接戦を繰り広げて周回を重ねていく。
レース終盤の18周目をトップで通過したのはリンスだったが、リンスは周回数を勘違いし、ガッツボーズと共にスローダウン。その横を次々と他のマシンがすり抜けていく。これでリンスは9位まで後退。最終ラップにトップで入ったのはマスブーだったが、ミラーがトップに立ち、コース終盤までトップをキープする。マスブーは最終コーナー手前の13コーナーでミラーのインをついて最終コーナーをトップで立ち上がり、グランプリ初優勝を達成。最終コーナーを2番手で立ち上がったミラーだが、立ち上がりで振られ、その間にバスティアニーニ、ダニー・ケント(ハスクバーナ)の先行を許してしまう。バスティアニーニが今シーズン2度目の表彰台を獲得。ケントがMoto3クラス復帰後初表彰台を獲得した。
マルケスもゴールライン直前でミラーをかわして4位に入賞。ミラーは5位に終わった。ビンダーが6位、ミゲール・オリビエラ(マヒンドラ)が7位、エフレン・バスケス(ホンダ)が8位でチェッカーを受け、リンスは9位に終わった。10位にイサック・ビニャーレス(KTM)。トップから1秒の間に10人のライダーがひしめき合ってゴールする接戦のレースとなった。