MotoGP第9戦ドイツGP MotoGPクラス2日目、スプリントが土曜日、イギリス、シルバーストン・サーキットで開催された。

　ピットにはイギリスの俳優で元飛び込み選手のジェイソン・ステイサム、DJのカール・コックスなど著名人の姿も見られ、大勢の観客と共に75周年の記念大会を楽しんでいる様子だった。

　日本時間午後11時(現地時間午後3時)から10周で争われたスプリントは、スタートから激しい混戦となり、1コーナーでマシンコントロールを失ったフランコ・モルビデリ(ドゥカティ)との接触でマルコ・ベゼッキ(ドゥカティ)も転倒。イエローフラッグが出された。この事故には、ラウル・フェルナンデス(アプリリア)も巻き込まれ順位を落とした。

　2周目に入るときはまだ1コーナーにはイエローフラッグが出された状態だった。トップは、ホルヘ・マルティン(ドゥカティ)、2番手エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)、3番手アレイシ・エスパロガロ(アプリリア)。その後ろにフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)、ペドロ・アコスタ(KTM)、マルク・マルケス(ドゥカティ)、ブラッド・ビンダー(KTM)、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)、アレックス・マルケス(ドゥカティ)、ジャック・ミラー(KTM)のトップ10で続いた。

　２周目には、アコスタ、マルク・マルケス、ビンダーは激しい5番手争いとなり、アコスタがビンダーの左エアロに接触、パーツが飛び散る場面があった。3周目に入っても、トップのマルティンは変わらず、バスティアニーニ、エスパロガロ、バニャーヤが付いて行く状態だった。

　4周目に入っても、その状態は変わらず、5番手のマルク・マルケスはバニャーヤと1秒以上差が開いた。4周目に最速ラップを記録して前を追っていたバニャーヤは5周目に入り4コーナーで転倒。そのままリタイア。

　6周目に入り、バスティアニーニがマルティンを捉えトップへ浮上。エスパロガロ、マルク・マルケス、ビンダー、アコスタ、アレックス・マルケスと続き、9番手を走っていたジャンアントニオはトラックリミット超過でロングラップに入り順位を落とす。

　残り2周の16コーナーでは4番手を単独で走行していたマルク・マルケスが転倒。再スタートしたもののピットイン。トップのバスティアニーニは徐々にマルティンとのリードを広げ、最終ラップへ入る頃には約1秒差が開いた状態だった。

　バスティアニーニは、そのままトップでチェッカー。2位マルティン、3位エスパロガロ、4位ビンダー、5位アコスタ、6位アレックス・マルケス、7位ミラー、8位ビニャーレス、9位ジャンアントニオ。9位までにはポイントが付与される。中上は17位完走。

　初めてのスプリント優勝に対して、バスティアニーニは限界までプッシュしてシルバーストンという好きな場所で勝てたと喜んでいた。この結果を受けて、年間ポイントランキングはトップがバニャーヤ222、2番手マルティン221、3番手にバスティアニーニが上がり167、4番手マルク・マルケス166、5番手ビニャーレス127、6番手アコスタ115、7番手ビンダー114。再び差が縮まり、明日の決勝を迎える。

　MotoGPクラス決勝は明日、Moto2決勝の前に、日本時間午後9時(現地時間午後1時)から20周で開催される。エスパロガロは明日のスタートを迎えると、バレンティーノ・ロッシ、アンドレア・ドビチオーゾに続いて3番目のグランプリ参戦回数のライダーになる。明日もスタートから見逃せない。


MotoGP 第10戦イギリスGP MotoGPクラス2日目 スプリント結果
1 エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)
2 ホルヘ・マルティン(ドゥカティ)
3 アレイシ・エスパロガロ(アプリリア)
4 ブラッド・ビンダー(KTM)
5 ペドロ・アコスタ(KTM)
6 アレックス・マルケス(ドゥカティ)
7 ジャック・ミラー(KTM)
8 マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)
9 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)
10 ミゲール・オリベイラ(アプリリア)
11 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)
12 ラウル・フェルナンデス(アプリリア)
13 アウグスト・フェルナンデス(KTM)
14 ヨハン・ザルコ(ホンダ)
15 ルカ・マリーニ(ホンダ)
16 ジョアン・ミル(ホンダ)
17 中上貴晶(ホンダ)
18 レミー・ガードナー(ヤマハ)
19 マルク・マルケス(ホンダ)
RT フランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)
RT マルコ・ベゼッキ(ドゥカティ)
RT フランコ・モルビデリ(ドゥカティ)