SBK第11戦ヘレスのレース1はトム・サイクス(カワサキレーシングチーム)が優勝。ジョナサン・レイ(カワサキレーシングチーム)は4位でタイトルを決めた。
好天に恵まれた決勝日。ホールショットを奪ったのはポールシッターのサイクス。レイが背後につけ、レース序盤からこの2台が抜け出す。後方ではチャズ・デイビス(Aruba.it レーシング-ドゥカティSBKチーム)、ニッコロ・カネパ(アルテアレーシング)、レオン・ハスラム(アプリリアレーシングチーム-レッドデビルズ)、マイケル・バン・デン・マーク(パタ・ホンダ・ワールドスーパーバイクチーム)、ミケーレ・ピロ(Aruba.it レーシング-ドゥカティSBKチーム)の5台がセカンド集団を形成。
3周目にカネパが転倒。デイビスがペースアップしてレイとの差を詰め始める。ハスラム、バン・デン・マークはデイビスに食らいついて行くがピロは遅れ出す。やがてレイ、デイビス、ハスラム、バン・デン・マークの4台での2位争いが開始される。その間にサイクスは完全なるトップ独走態勢を築く。
6周目。ついにデイビスがレイを捕らえて2番手浮上。その時点でサイクスは3秒以上のアドバンテージを築いていたが、デイビスは猛然とサイクスを追い始める。残されたレイはハスラム、バン・デン・マークと共に3位争いを展開しながらデイビスを追う。
レース中盤にはデイビスは単独2番手走行に。さらに3位争いからバン・デン・マークが抜け出し、レイはハスラムと4位争いを開始。このレイとハスラムのドッグファイトは、ピロが追いつく余裕を与えてしまい、レース終盤は3台での4位争いに発展。
サイクスは最後までデイビスとの距離を保ったままトップを快走。今季4勝目を挙げ、デイビスは単独2位フィニッシュ。バン・デン・マークは3度目の表彰台を獲得。
レイは開幕からの連続表彰台獲得はとぎらせてしまったものの、4位争いには競り勝ってチャンピオンを決めた。ゴール後からライダーたちは次々にレイに握手を求め、ピットレーンではスタッフが涙し、息子は王冠をかぶって喜びを表現。レイ本人は、コース上でスタッフにゴールドのゼッケンプレートに『1』を施され、さらに別のコーナーで待っていたスタッフからチャンピオンTシャツを着せてもらい、肩車で観客席に向かって歓声に応えるというパフォーマンス満載のクールダウンラップを行なった。