MotoGP第8戦オランダGPプレビュー
2023/06/22
MotoGP第8戦オランダGPが今週末、オランダのTTサーキット・アッセンで行なわれる。オランダGPの舞台であるTTサーキット・アッセンは全長4.54km、右コーナーが12、左コーナーが6、ストレートはわずか487m。前半セクションでは低速コーナーが続き、直線も短いが、後半セクションは高速コーナーが連続し、1周のアベレージスピードが高いサーキットである。
第6戦イタリアGPで負傷したジョアン・ミルとアレックス・リンスはともに第7戦に続き今大会も欠場。第7戦では代役を起用しなかったホンダ勢だが、今回はミルの代役にイケル・レクオナが、リンスの代役にステファン・ブラドルがそれぞれ起用する予定。また、第7戦ドイツGPで5度の転倒を喫し、決勝レースを欠場したマルク・マルケス(ホンダ)はオランダGPに参戦予定。これでホンダは通常通り4台での参戦となる。
昨年のオランダGPではフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)、マルコ・ベゼッキ(ドゥカティ)によるドゥカティ勢がワンツーフィニッシュを達成している。また、3位にマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)、4位にアレイシ・エスパロガロ(アプリリア)が入っている。今年もドゥカティ、アプリリアの優位となるのだろうか。今シーズンのアプリリアに昨シーズンのような好調さは見えないが、果たしてどんな結果になるだろうか。
チャンピオンシップではバニャーヤの首位は変わらずだが、前戦ドイツGPを完全制圧したホルヘ・マルティン(ドゥカティ)がベゼッキをかわしランキング2位に浮上。さらにバニャーヤとのポイント差を16点まで詰めてきた。第6戦イタリアGPのティソ・スプリントから好調をキープし、前戦ドイツGPではロングディスタンスの決勝レースでも安定して速いラップタイムを刻み続けたマルティン。ランキング首位のバニャーヤはベゼッキだけでなく、マルティンという強力なライバルとも戦わなければならなくなった。この先の流れを大きく左右するサマーブレイク前最後の1戦、オランダGPでポイント差が詰まるのか、または開くのかのか、チャンピオン争いに注目が集まる。
Moto2クラスは、ポイントランキング2位のペドロ・アコスタ(カレックス)が第6戦イタリアに続き連勝。ポイントリーダーのトニー・アルボリーノ(カレックス)が2位でゴールしたため、二人のポイント差は15ポイントとなった。アルボリーノがリードしているとはいえ、今シーズン4勝をマークしているアコスタの速さは圧倒的。しかし、今季のアルボリーノの安定感は見事であり、勝てなくても表彰台に登り、最小限のダメージにとどめている。アコスタはこの先いかに転倒を減らしていけるかがチャンピオン争いの鍵となるだろう。日本人ライダー小椋藍(カレックス)は今季不調に陥っているが、昨年2位表彰台を獲得したサーキットで巻き返しを図る。羽田大河(カレックス)の初ポイント獲得にも期待したい。
Moto3クラスは、前戦ドイツGPで佐々木歩夢(ハスクバーナ)が速さをみせ、決勝レースでも2位表彰台を獲得。デニス・オンジュ(KTM)に優勝を奪われるも、連続での表彰台獲得により、ランキング4位に浮上した。チャンピオン争いに加わった佐々木だが、ランキングトップのダニエル・オルガド(KTM)の安定感も素晴らしく、ドイツでも3位を獲得し、ランキング2位のジャウメ・マシア(ホンダ)に41点差をつけて首位を独走している。2位マシアと4位佐々木のポイント差はわずか5ポイント差で、夏休み前にランキング2位にあがり、オルガドとの差を詰めたいところだ。ドイツでは参戦した日本人ライダー全員ポイントを獲得しており、ノーポイントが続いていた古里太陽(ホンダ)も10位入賞。ランキングも23位まで浮上している。鳥羽海渡(ホンダ)は粘りの走りで14位入賞を果たしランキング13位。山中琉聖(ガスガス)は8位でフィニッシュしランキング12位に浮上している。鈴木竜生(ホンダ)は前戦同様、今大会も欠場が決まっており、サマーブレイク明けの復帰を予定している。
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