フリープラクティス初日は雨に見舞われたフィリップアイランド。2日目の今日も天候の変化が激しく、予選セッションは予想外の展開となった。
モビスター・ヤマハMotoGPのホルヘ・ロレンソとバレンティーノ・ロッシは、フリープラクティス第3セッションで共にトップ10入りを逃し、QP2進出を目指してQP1に臨んだ。
ロレンソは、他のライダーたちがピットアウトするのを待ってスタートし、2ラップ目には早くも2番手へ浮上。全体のペースが上がってくると3番手へ後退し、残り6分でタイヤ交換を行なった。コース復帰時点で6番手まで順位を下げていたが、すぐさま1分41秒593を記録して5番手、さらに激しいプッシュで上を目指し、1分40秒452へタイムを更新して2番手を獲得した。
これでQP2に進出したロレンソ。貴重なドライ・コンディションを有効に使うために序盤から果敢に攻めていった。そして1ラップ目に1分40秒350を記録し、さらに1分37秒833へ更新したが、ライバルたちもペースを上げたため11番手へ後退した。7分半を残してピットイン。もう一度コースに戻って1分36秒840を記録するも12番手に留まった。
一方のロッシは、QP1の最初のアタックで3番手に浮上。2ラップ目はタイムを更新するも順位は変わらず。3ラップ目には1分41秒368を記録し、ロレンソを抜いて2番手に浮上した。続けてもう1ラップ走行したあと、ピットに戻って素早くリアタイヤを交換。しかし残り時間があとわずかとなっており、1ラップだけ走行したものの順位をばん回できなかった。
■ホルヘ・ロレンソ(予選12番手/1分36秒840)
「QP2に進出できたのはラッキーだった。QP1では路面コンディションが整う前からタイヤをスリックに替えていた選手が何人かいて、そのおかげで僕が2番手に上がることができたんだ。でも、いくらステップアップのために必要だとは言っても、このような難しいコンディションのなかでスリックを履くのは最悪のシナリオだと思うよ。今回はまったく天候に恵まれない。激しい雨、やがて止んだと思ったら強風が吹いて寒くなった。こうした厳しい状況の中で速く走るのは難しい」
■バレンティーノ・ロッシ(予選15番手/1分41秒368)
「コンディションが変化し続け、今日は一日中、まったくいいところがなかった。このようなコンディションは誰にとっても難しく、ウエットでもドライでもフィーリングがつかめない。昨日の午前中は好調にスタートすることができたのに、今日はいろいろ問題もあって、結局、グリッドはかなり後ろになってしまった。明日も気温が低ければタイヤがなかなか温まらず苦しい展開になるだろう。だから何としても晴れてほしいんだ。もちろんグリッド5列目というのも大きな問題。優勝を目指すなら、それは不可能に近い。でも速ささえあれば好レースを展開できるはず。それが僕らの今回の目標」
■マッシモ・メレガリ/チーム・ディレクター
「本当にひどいコンディションだ。コース状況が刻々と変わるので、タイヤが暖まらずグリップ・レベルを上げることができない。だから転倒車が出てしまうのだ。ホルヘはQP1で健闘して、次へのステップアップに必要な順位をゲット。QP2で路面が乾いていくときに、うまくフィーリングをつかめなかったことは残念だった。バレンティーノもQP1は悪くなかったが、ドライ・ラインに適応しようとタイヤ・コンビネーションを変更したときに、時間を使い果たしてしまった。明日は完全なドライか、完全なウエットを望む」