アプリリアレーシングCEOマッシモ・リボラ岐路に立つ
2025/04/21
2025年はまだ4カ月しか経っていないのに、ホルヘ・マルティンはすでに3回も重大な事故に見舞われた。ディフェンディングチャンピオンとして防衛戦に臨む夢は打ち砕かれ、ファンは期待を放棄させられた。アプリリアレーシグのマッシモ・リボラCEOの2025年計画は台なしになった。
第4戦カタールGP開催までは、マルティンの復帰を待っていた。確かに彼らのスターライダーはシーズン最初の三つのグランプリレースを欠場していたが、まだ18戦、36レースが残っている。不運だとはいえ、プロジェクトは救済可能だった。しかしマルティンの新たな負傷と復帰時期の見通しは、リボラに2025年計画の見直しを迫ることになるだろう。今こそ、じっくり考えるときだ。
マルティンを診察した医師たちは、MotoGPマシンに再び乗れるようになるまでには2、3カ月が必要だとみている。ライダーの回復期間は確かに『魔法のよう』ではあるが、数戦のグランプリを欠場することは間違いない。代役はロレンソ・サバドーリが務めることになる。現時点でアプリリアにはほかに選択肢がないからだ。
だが、本当にそうだろうか。
サバドーリは本来の役割であるテストライダーとしてよりも、レースライダーとして過ごす時間が増える。彼に期待されるパフォーマンスを熟慮すると、方向転換すべきかもしれない。
不運をチャンスに換えるのだ。この状況を逆手に取り、Moto2に目を向け、将来有望なライダーを最高峰クラスに昇格させてみてはどうだろうか。リザルトはサバドーリが達成できるものと大差はないだろうし、アプリリアは将来を見据えて『自社』のライダー育成に着手できる。マルティン復帰後はテストチームに移籍し、ワイルドカードとして経験を積ませることも可能だ。最終的にラインナップを見直す時期がきたら、アプリリアは後任が用意できていることになる。
空想のように聞こえるだろうか。私はそうは思わない。現状打破の『理論的』な方法だと思う。候補者を選ぶのはリボラの仕事であり、彼ならきっと方法を見つけることができるだろう。
恐らく、昨年アプリリアで行なわれたアレイシ・エスパロガロの後任選び会議で挙がった4人のライダーリストを基に始めるだろう。そのリストにあったのはセルジオ・ガルシア、ジョー・ロバーツ、そしてほかに名前が明らかにされていない二人。結局、このリストにあった4人はだれも選ばれなかった。その経緯はライディングスポーツ6月号を読んでほしい。
(マニュエル・ペチーノ)
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