MotoGP第10戦オーストリアGPプレビュー
2023/08/16
MotoGP第10戦オーストリアGPが今週末、オーストリア第2の都市グラーツから北西に約100キロに位置するシュペールベルクの緑美しい丘に建設されたレッドブルリンクで行なわれる。全長距離4.32キロ、右コーナー8、左コーナー3、最大ストレートが626メートル。KTMにとっては地元オーストリアでのホームグランプリとなる。2020年以来の過去5戦、ここでの戦いは、ドゥカティ、KTM、ドゥカティ、KTM、ドゥカティの勝利というパターンで続いている。果たして今大会はどうなるのか?
現在214ポイントでポイントランキングトップに立つ昨年王者のフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)は、前戦シルバーストンで優勝は逃したものの、ここまで苦しい中でもポイントを獲得し、アドバンテージを作っている。それに対して、173ポイントでランキング2位のホルヘ・マルティン(ドゥカティ)にとってこのレッドブルリンクは2021年に初めてプレミアクラスで優勝した特別なサーキット。当然、首位とのポイント差を詰める戦いを望んでいるだろう。前回シルバーストン決勝で転倒し、マルテティンに抜かれ167ポイントでランキング3位となったマルコ・ベゼッキ(ドゥカティ)も、速さでは負けていないライダーだ。
総合ランキング4位のブラッド・ビンダー(KTM)、ジャック・ミラー(KTM)にとってはチームの地元でもあるオーストリアGP。ミゲール・オリベイラ(アプリリア)とラウル・フェルナンデス(アプリリア)はチーム名のCrypto DATAを冠したグランプリ、奇しくも来期の体制の話が盛り上がりだすタイミングで、どのライダーも力が入る戦いをすることは間違いない。
そんな中、アレックス・リンス(ホンダ)は来期、フランコ・モルビデリ(ヤマハ)に代わり、ヤマハに乗ることを決めている。今大会は、負傷欠場のリンスに代わりイケル・レクオナ(ホンダ)がLCRホンダ・カストロールから、中上貴晶(ホンダ)と出場する。
前回イギリスGPで予選12番手からの追い上げで優勝したアレイシ・エスパロガロ(アプリリア)とマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)のアプリリアワークス勢からも目が離せない。前回ティソ・スプリントで初優勝を果たしたアレックス・マルケス(ドゥカティ)、前大会から復帰のエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)、総合ランキング5位のヨハン・ザルコ(ドゥカティ)、総合7位のルカ・マリーニ(ドゥカティ)、最高峰クラス2年目のファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)らドゥカティ勢、ポル・エスパロガロ(ガスガス)、アウグスト・フェルナンデス(ガスガス)の新勢力ガスガス、前回シルバーストンは元チャンピオンのマルク・マルケス(ホンダ)より速かったジョアン・ミル(ホンダ)、2021年チャンピオンのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)、チーム移籍となるモルビデリ、更にワイルドカード参戦ライダーの熱い戦いが繰り広げられるオーストリアGP。
日本人ライダー、小椋藍(カレックス)と野佐根航汰(カレックス)も出場するMoto2は、ペドロ・アコスタ(カレックス)、トニー・アルボリーノ(カレックス)がわずか2ポイント差でチャンピオンシップを争っている。
Moto3では、2022年のレッドブルリングでダブルロングラップペナルティー後の優勝という感動的なレースを見せた佐々木歩夢(ハスクバーナ)、鈴木竜生(ホンダ)、鳥羽海渡(ホンダ)、山中琉聖(ガスガス)、古里太陽(ホンダ)の活躍にも期待したい。ランキングトップのダニエル・オルガド(KTM)と2位佐々木のポイント差は22。
そしてMotoEは第6戦を迎え、日本人ライダー大久保光(ドゥカティ)はランキング12位に付けている。こちらも注目だ。
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