MotoGP第7戦ドイツGPプレビュー
2023/06/14
MotoGP第7戦ドイツGPが今週末、ドイツのザクセンリンク・サーキットで行なわれる。ドイツGPの舞台であるザクセンリンク・サーキットは全長3.67km、右コーナーが3、左コーナーが10、ストレートはわずか700mと低速コーナーが連続する反時計回りのサーキットだ。
前戦イタリアGPで負傷したジョアン・ミルとアレックス・リンスはともに第7戦の欠場を発表。また、ドイツGPでミルとリンスの代役を起用しないことも併せて所属チームからアナウンスされている。
3連戦の2戦目として行なわれるドイツGPは、マルク・マルケス(ホンダ)が圧倒的な勝率を誇っているサーキットの一つで、2010年の125cc時代から2019年まで驚異の10連勝を達成している。復帰するも体調が万全ではなかった2021年にも優勝を果たしており、ザクセンリンクはマルケスにとって最高峰クラスで8勝をマークした相性抜群のサーキットだ。今季は予選での速さは見せるものの、出場した決勝をすべて転倒リタイアという形で終えているマルケス。復活にはこれ以上ないサーキットでのレースなだけに、やはり1番注目すべきライダーと言っていいだろう。
イタリアGPで現在チャンピオンシップをリードしているフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)が母国GPを制圧。ポールポジション、ティソ・スプリント、そして決勝すべてで1位を獲得し、ポイントランキング2位につけるマルコ・ベゼッキ(ドゥカティ)との差を21ポイントまで拡げた。ドゥカティ勢の圧勝で終わったイタリアGPだったが、今週末のドイツGPの舞台でもあるザクセンリンクはドゥカティのマシン特性が活かしづらいサーキット。ホンダのマルケスをはじめ、昨年ドイツを制したファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)など、これまで苦戦を強いられてきた実力者たちにとって一矢報いる可能性が高い週末となる。今季初優勝を挙げるライダーの誕生、ライバルが増えた中でのチャンピオン争いの行方など見どころ満載のレースになるだろう。
Moto2クラスは、ポイントランキング2位のペドロ・アコスタ(カレックス)が完勝。ポイントリーダーとして母国に凱旋したトニー・アルボリーノ(カレックス)は、予選10番手と本調子ではなかったものの、決勝はアコスタに次ぐ2位でフィニッシュ。アコスタに優勝を奪われたアルボリーノだが、最小限のダメージにとどめ、両者の差は5ポイント詰まり20ポイントとなった。速さを取り戻したサム・ロウズ(カレックス)や、第6戦でダブルロングラップペナルティを受けるも驚異の追い上げを見せたアロンソ・ロペス(ボスコスクロ)など、ライバルたちもシーズン中盤に向けて調子を上げてきている。アコスタとアルボリーノを中心に激しさを増す優勝争いに今回も注目したい。日本人ライダー小椋藍(カレックス)の今季初表彰台や羽田大河(カレックス)の初ポイント獲得にも期待だ。
Moto3クラスは、ポイントランキング首位のダニエル・オルガド(KTM)が前戦イタリアGPでも上手さをみせ、早くも今季3勝目を挙げた。接戦での3位で悔しい思いをした佐々木歩夢(ハスクバーナ)だが、連続で表彰台を獲得したことでポイントランキング総合5位まで挽回。夏休み前の2戦での結果次第で、今シーズンの行方が左右されると言っても過言ではない重要なレースなだけに、チャンピオン獲得のチャンスがある佐々木に注目だ。イタリアでは転倒が相次いでしまった日本勢だが、鳥羽海渡(ホンダ)が粘りの走りで10位入賞を果たしランキング12位に浮上。鈴木竜生(ホンダ)は前戦転倒を喫しランキング10位止まり、山中琉聖(ガスガス)もポイント加算ならず13位に後退、鈴木同様またしても転倒してしまった古里太陽(ホンダ)は未だポイントを獲得できていない。しかしフランス、イタリアと確実に上位でレースをしているだけに今週末が良いきっかけとなることを期待したい。
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