MotoGP第10戦チェコGP MotoGP決勝
2019/08/05
MotoGP第10戦チェコGP、MotoGPクラスは、チェコのブルノサーキットで決勝レースを行ない、マルク・マルケス(ホンダ)が優勝した。
MotoGPクラスの決勝レースはスタート直前に雨が降り、最終コーナーから1コーナー先の区間がウエットコンディションとなったため、スタートディレイとなった。その他のセクターはほぼドライで、ウエットとドライ路面のミックスコンディションとなり、雨は上がったものの、約40分スタート時間が遅らされ、その間に2台のセーフティカーがコースを走って、コースチェックと当該区間のライン上の路面を乾かす作業が行なわれた。
その後、現地時間14時35分にコースインがスタート。クイックスタートで40分遅れの14時40分、ウエットレースが宣言されてレースは20周でスタートした。
全車スリックタイヤをチョイスしてスタート。ホームストレートのグリッド上はウエットパッチが残る難しいコンディションの下、マルケスは好スタートを決めてトップに立つ。2番手にアンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)、3番手にジャック・ミラー(ドゥカティ)、4番手にアレックス・リンス(スズキ)が続き、序盤からこの4人がトップ集団を形成する。
マルケスは終始トップ争いをリードするが、ドビジオーゾもぴたりとマルケスをマークし、コンマ3秒前後の差をキープしながら周回を重ねて行く。しかし、中盤になるとマルケスがプッシュし始め、12周目にコンマ7秒ほどにリードを広げると、13周目には約1秒、14周目には約2秒とドビジオーゾとの差を広げ、単独トップに立つ。
残り1周でマルケスは約3秒のリードを取り、独走で今シーズン6勝目を記録した。この勝利はマルケスにとって最高峰クラスで通算50勝目となり、最高峰クラスでは、バレンティーノ・ロッシ、ジャコモ・アゴスチーに、ミック・ドゥーハンに次ぐ、歴代4人目となる50勝目を達成。さらにグランプリ通算優勝回数も76勝目となり、マイク・ヘイルウッドの記録に並んだ。
「スタートが決まり、リズムをキープすることを心掛けた。10周を過ぎてからプッシュし、ギャップを広げた。クレージーな週末に優勝することができてハッピーだ。チームの正確な仕事ぶりがこの勝利を助けてくれたと思う」とマルケス。
マルケスはランキングトップをキープ。ランキング2位のドビジオーゾとのポイント差を66ポイントに広げた。
ドビジオーゾはマルケスに逃げられたものの、3番手以下とのリードを広げ、単独2位をキープ。第6戦イタリアGP以来の表彰台となる2位に入賞した。
「不思議なレースだった。レース序盤はパーフェクトだったが、中盤以降、マルクがブレーキングでよりプッシュし、ついていくことができなかった。表彰台に再び立てたことはハッピー。最後までマルクについて行きたかったが、去年のレースと比較すると、彼のライディングは異なっていた。ボクたちはまだ少し苦戦している」とドビジオーゾ。
3番手争いは終盤までリンスがリードしていたが、中盤すぎに一度は遅れていたミラーが終盤にリンスとの差を縮め、残り2周の5コーナー進入でミラーが3番手に浮上。リンスを一気に振り切って3位でゴールし、第3戦アメリカズGP以来となる表彰台を獲得した。
「落ち着いてレースができた。リンスのリアタイヤがスピンしていたので、辛抱強くチャンスを待った。ここ数戦、ハードにプッシュしてきたので、表彰台に戻って来れたことはとてもうれしい」とミラー。
レースの大半で3番手をキープしていたリンスは、ミラーに抜かれた後、挙動を乱すなど苦戦、4位でゴールした。
5位にカル・クロッチロウ(ホンダ)、6位にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)7位にファビオ・クアルタラーロ(ヤマハ)、8位にダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)が入賞。
13番グリッドからスタートした中上 貴晶(ホンダ)は好スタートを決め、ウエットパッチの残る路面の中、1周目に9番手に浮上。ペトルッチ、クアルタラーロとバトルを繰り広げ、中盤以降は10番手をキープ。ポル・エスパルガロ(KTM)を交わして9番手に浮上し、終盤に追い上げてきたマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)に接近されるが、振り切って9位に入賞した。
ビニャーレスはスタートで遅れ、追い上げの苦しいレースとなり、10位でゴール。ポル・エスパルガロは中盤まで7番手をキープしていたが、ペトルッチ、クアルタラーロに交わされ後退。終盤には中上とビニャーレスにも交わされて11位でゴールとなった。
12位にフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)は、13位にミゲール・オリベイラ(KTM)が入賞。フロントロウからスタートしたヨハン・ザルコ(KTM)は1周目に12番手まで後退。14位でゴールとなった。負傷欠場のホルヘ・ロレンソ(ホンダ)の代役として参戦したステファン・ブラドル(ホンダ)は15位に入賞。
以下、16位にティト・ラバット(ドゥカティ)、17位にアンドレア・イアンノーネ(アプリリア)、18位にアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)、19位にカレル・アブラハム(ドゥカティ)、20位にワイルドカード参戦のシルバン・ギュントーリ(スズキ)の順で続いた。
ハフィス・シャリン(KTM)は15番手走行中の7周目の10コーナーで転倒リタイア。フランコ・モルビデリ(ヤマハ)は1周目の4コーナー立ち上がりでイン側のザルコと接触、アウト側にいたジョアン・ミル(スズキ)を巻き込んで転倒し、モルビデリ、ミル共にリタイアに終わった。
MotoGP各チームはこのままブルノに留まり、明日オフィシャルテストを行なう。テストを終えた後は、連戦となる次戦オーストリアGPに臨む。
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