朝から細かい雨が降り続けた第3戦SUGOの決勝日。JSB1000クラスのセミ耐久がスケジュールされた午後にも降りやまず、完全なウエットレースとなった。
雨の中120マイル(52周)のレースがル・マン式スタートで始まった。
好スタートを切ってオープニングラップからトップ独走体制を築いたのは高橋巧(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)。1周終了時点で2番手に3秒以上のアドバンテージを築いた。その2番手は中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)。津田拓也(ヨシムラスズキMOTUL)、加賀山就臣(Team KAGAYAMA)と続く。
2周目。中須賀が2番手単独走行に移る。背後で加賀山が1コーナーで転倒。津田をかわして野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が3番手浮上。津田はペースが上がらずに浦本修充(Team KAGAYAMA)にもかわされてしまう。浦本は野左根と順位を入れ替えながらの激しい表彰台争いを開始する。
8周目に6番手を走行していた山口辰也(Honda Dream Racing)が、9周目に8番手を走行していた清成龍一(MORIWAKI MOTUL RACING)が転倒と、次々にアクシデントが起こる。
11周目。こともあろうか中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が転倒。
一方、トップを快走する高橋は12周終了時点で2番手に20秒以上の大差をつける。そして2番手は野左根、3番手に浦本というオーダーに。
16周目に早くも津田がピットに入る。同時に3コーナーで転倒があり、マシンがコース上に残ってしまったためにセーフティカー導入。津田はピットから出られなくなってしまう。
1周でセーフティカー解除。津田はコースインしたものの後方に沈んでしまうことに。さらにセーフティカーの導入で後続に差を詰められてしまった浦本が表彰台圏内から脱落。替わって渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)が3番手に浮上。その背後には濱原颯道(ヨシムラスズキMOTUL)がつけ、浦本は5番手に後退。その浦本は22周でピットワークを終える。
レース折り返しを過ぎ、各チームが続々とピットワークに入る。高橋は28周でピットイン。タイヤ交換せずに7秒で作業終了。すぐにコースに復帰する。
ひと通りピットワークが終わった32周。高橋は2番手に45秒と、さらに差を広げていた。野左根は2番手を保持。3番手には濱原、4番手に渡辺に替わった。
アクシデントが多発したレース前半に比べ、レース後半は淡々と周回を重ねる。
レース終盤。ペースを上げたのが渡辺。49周目に3番手浮上。
高橋は最後までトップを快走。後続に1分以上の差をつけ、6番手以下を周回遅れにして2連勝を飾った。野左根は2位でフィニッシュ。渡辺がカワサキ移籍後2戦目にしてJSB1000クラス初表彰台を獲得した。