2016年11月13日
MotoGP 第18戦 バレンシアGP 決勝
場所:スペイン コミュニタートバレンシアナ・リカルドトルノ
チームスズキエクスター・最終戦バレンシアを5位、8位で終える
2016年最終戦となったMotoGPバレンシア決勝は、昨シーズン同様、超満員の観客に見守られ、午後2時、今シーズン最後のスタートを切った。ビニャーレス、アレイシ両ライダーにとって、チームスズキエクスターで走るラストレースでは、両ライダーがコンスタントに上位を走行。ビニャーレスは序盤から終盤までトップグループから離れることなく、粘りの走りで最後まで表彰台を狙い続けるも、届くことなく5位でチェッカーを受けた。
4番手グリッドから好スタートを決め、1周目の1コーナーに3番手で飛び込んだビニャーレスは、その後数周の間、ポジションをキープしながらトップを追いかけ続けたが、タイヤの消耗により中盤過ぎに5番手にポジションダウン。最後は我慢の走りを強いられ、表彰台獲得は叶わなかった。
9番手グリッドからスタートしたエスパルガロは、序盤ペースが上がらずポジションダウンするものの、すぐに再び9番手までリカバー。序盤にタイヤをセーブしたことにより、レース後半もペースダウンすることなく、最後まで激しいバトルを続け、シーズン最後のレースを8位で終えた。
2014年のバレンシアGPで、ビニャーレスおよびエスパルガロが初めてスズキ車に乗ってから丸2年。この2年という短い間に、ライダー、マシン、チームスタッフは共に大きな進化を遂げ、ライバルチームと対等に闘えるレベルに成長を遂げてきた。共にサーキットで闘ってきたチームスタッフ一同、スズキ本社の関係者一同より、ふたりのライダーに心からお礼の言葉を伝えると共に、彼らの今後の活躍を願いたい。
マーベリック・ビニャーレス <予選4番手、決勝5位>
「今日がスズキとの最後のレースだったから、もっと良いリザルトを残したかったというのが正直な気持ちだし、週末の流れを考慮すれば、表彰台獲得は可能だと思っていたよ。序盤から全開で攻め、レース中盤過ぎまではペースをキープできたのに、終盤は前について行くのがやっとだった。改めてスズキとのこの2年間を振り返ってみると、1年目の昨年はあんなに苦労していたのに、今年、特に後半になってからは、常に表彰台を狙える位置を走ることができるようになり、僕らのチームは本当に素晴らしい仕事をしてきたと思うよ。僕自身にとっても、この2年という月日はとてもセンセーショナルで、忘れることのない思い出となった。彼らと一緒に仕事をさせてもらえたことを、本当に誇りに思うよ。」
アレイシ・エスパルガロ <予選9番手、決勝8位>
「スタートを失敗してポジションダウンしてしまったせいで、そこからのリカバーに余計な時間を費やしてしまったことが、今日の大きな敗因だったね。レース全体を通して、ペースは悪くなかったけど、最後のレースは絶対に完走したかったから、リスクを背負うことは避けたかった。自分なりのベストを尽くしたけど、今日は8位が精一杯だったよ。フロントのフィーリングは相変わらずあまり良くなかったけど、それでも今日はレースを楽しむことができた。今日でスズキとはお別れだけど、スズキの歴史の1ページに名前を刻まれたことは、僕の一生の誇りだし、本当に素晴らしいスタッフに恵まれ、僕にとっては皆が家族のような存在だった。この2年間でマシンは大きな進化を遂げたので、僕もそこに微力でも貢献できたことが嬉しいよ。表彰台を1度も獲得できなかったことが唯一の心残りだけど、僕はこの2年間、常に110%の力を出し切ってきたから後悔はないよ。大好きな友人達と素晴らしいプロジェクトを残して去っていくのは、本当に寂しい気持ちさ。」
寺田 覚 プロジェクトリーダー
「今日で復帰してからちょうど2年となり、ひとつのピリオドを終えた気持ちです。まず最初に両ライダーおよびチームスタッフ、そして日本のエンジニア達皆に「ありがとう」と伝えたいです。最初の年は苦労も多く、うまくいかない時間もたくさんありましたが、皆が常に100% でプッシュしてくれたので、大変有り難かったです。今年は開発もしっかり進めることができ、性能も上がりましたし、1度の優勝を含む、4度の表彰台を獲得でき、とても誇れる結果を得ることができたと思っています。明日からは、また来シーズンのテスト準備が始まりますが、さらに強くなり、スズキファンの方々の期待に応えることができるよう頑張っていきますので、今後共変わらぬ応援をよろしくお願い致します。」
河内 健 テクニカルマネージャー
「今年ベストという結果にはなりませんでしたが、ふたりのライダーが、共に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれ、完走してくれました。我々が2年前にプロジェクト復帰を果たし、最初のレースとなったのがここバレンシアだったのですが、その時の事を今でもよく覚えています。そこから2年間、マーベリックとアレイシが我々のマシンを本当に大きく進化させてくれ、彼らには心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。本当にありがとうございました。明日からはふたりの新しいライダーを迎え、また新しいチャレンジが始まりますので、今まで以上の成績を残せるように、さらに頑張っていきたいと思っています。」