ST600レポート
ST600クラスは、前田恵助(ヤマハ)がランキングトップで、ランキング8位までがタイトルの可能性を残すという状況。そんな接戦のシーズンの最終戦、Honda勢ではランキング6位の榎戸育寛(MOTO BUM HONDA)が予選3番手となり、フロントローに並びました。
決勝レースは、1ラップ目のデグナーカーブで前田が転倒リタイア。デチャ・クライサルト(ヤマハ)、チャランポン・ポラマイ(ヤマハ)、榎戸、予選6番手の名越哲平(MuSASHi RT ハルク・プロ)らがトップ争いを展開します。中盤になると、榎戸と名越が前を走っていたポラマイをパス。そして最終ラップは、クライサルトがトップで突入しますが、2番手を走っていた榎戸がシケインでクライサルトをかわし、全日本初優勝に加え、初のタイトル獲得となりました。名越は3位表彰台に上がってランキング3位に。5位フィニッシュの岩戸亮介(Team高武 RSC)はランキング4位でシーズンを終えました。
ST600コメント
榎戸育寛(ST600 優勝)
「予選で苦戦し、いくつか気になるところがあり、タイムを更新できずにいましたが、決勝日朝のウォームアップの調整で方向性が見つかり、スタートから優勝することだけを考えて走りました。タイトルのことは考えていませんでした。とにかく、最後は勝って終わりたかったんです。優勝できて、本当にうれしかったです。チャンピオンになれたことは、旗を渡されて気がついて、喜びが何倍にもなりました。もう、どうしようもなくうれしくて、わめいていました。こんな夢のようなことがあるのだと、今もフワフワした気持ちです」
名越哲平(ST600 3位)
「予選ではトップに大きく離されてしまいました。決勝では、チームスタッフとサスペンションのセッティングを相談して変更したことで、トップ争いができました。走りならがら前のライダーの走り方を吸収して、自分のものにしていこうと思い、前だけを見て走っていました。チャンピオンのことは、全く考えていませんでした。まだ自分にはその技量がないと思うので、それをしっかり身につけたいと思います。開幕戦の優勝は運がよかったという部分が大きかったですが、今回の表彰台は、力を出して上がれたのでうれしいです」