第16戦オーストラリアGPは、今季7度目のポールポジションを獲得したマルク・マルケス(レプソル・ホンダチーム)が、オープニングラップにトップに浮上すると、1分29秒台の好タイムで周回を重ね、あっという間に後続を引き離した。前戦日本GPでチャンピオンを決め、すべてのプレッシャーから解放されたことを感じさせる伸び伸びとした走りで、6周目には2番手グループに早くも約3秒のリードを築き、今季6勝目に大きく前進。しかし、11周目の4コーナーのブレーキングでミス、痛恨の転倒を喫し、リタイアとなった。
負傷欠場のダニ・ペドロサの代役として出場したニッキー・ヘイデン(レプソル・ホンダチーム)は、ジャック・ミラー(エストレージャ・ガルシア0,0マーク VDS)、スコット・レディング、ダニロ・ペトルッチのドゥカティ勢、ブラドリー・スミス(ヤマハ)らとし烈な7番手争いを繰り広げたが、25周目の4コーナーで転倒。再スタートを切って17位でフィニッシュした。
今大会でカル・クロッチロウ(LCRホンダ)が優勝したことにより、ホンダは最高峰クラスで2年ぶり22回目のコンストラクターズタイトル獲得に大きく前進。次戦マレーシアGPでホンダ勢が2位以上でフィニッシュすれば自力でタイトル獲得となる。
■マルク・マルケス(決勝リタイア)
「まず最初に、転倒したことをチームに謝らなければいけません。今日は何もかもが完ぺきでした。それを結果につなげられず本当に残念でした。もしチャンピオンシップがかかっていたなら、リスクを冒さず、全く違うレースになっていたと思います。今日はリードをしっかりキープしていました。しかし、ハードブレーキングポイントの4コーナーで深く入りすぎてしまい、通常ならワイドラインでリスクを回避するのですが、今日は同じポイントからコーナーに入っていきました。今日は完全に自分のミスです。いつもならブレーキングはもっと慎重です。今日はリスクの大きい走りをしてしまいました。すでにタイトルを獲得しているのですが、一つでも多く勝ちたいと思っています。次のマレーシアに気持ちを切り替えなくてはいけません。優勝したカル(クロッチロウ)におめでとうと言いたいです」
■ニッキー・ヘイデン(決勝17位)
「コンディションが非常に変わりやすく、とても難しい週末でしたが、ウオームアップでやっとドライコンディションで数周走行することができました。しかし、序盤はなかなかリズムをつかめませんでした。7番手争いの集団にいましたが、とても楽しかったです。集団の中で一番タイヤの状態がよかったように感じていたので、バトルに勝てると思ったのですが、ホンダヘアピンで、ジャック(ミラー)にノックダウンさせられました。でも、これがレースというものです。実際に彼のことは見ていません。彼が来たときにはもう何もできませんでした。予選では7番グリッドを獲得しましたが、金曜日の午前中までマシンに乗ったことがなかったことを考えればとてもいい結果だと思います。何よりも週末を楽しむことができました。レプソル・ホンダチームに戻り、このマシンに再び乗ることができてとてもうれしかったです。最高の気分でした。まずまずの仕事ができたと思いますが、できればいい結果でフィニッシュしたかったです」