第16戦オーストラリアGPでは厳しい状況のなかで大健闘したモビスター・ヤマハMotoGP。バレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソは、そのままマレーシアへ移動し、セパン・インターナショナル・サーキットで開催される第17戦に臨む。
前回はグリッド後方から怒涛の追い上げを見せて2位を獲得したロッシは、セパン・サーキットは非常に相性のいいコースの一つで、最高峰クラスにおいては2001年、2003年、2004年、2006年、2008年、2010年と合計6回の最多優勝回数を誇る。このほかに2002年、2005年、2014年に2位、2009年と2015年は3位をそれぞれ獲得している。
一方のロレンソも、セパン・サーキットでの走行を心からエンジョイしていると話しており、新しい舗装路面と彼のスムースなライディングが相乗効果となって、セパン・サーキットでの最高峰クラスでの初優勝のチャンスをねらっている。2012年と2015年は2位、2010年、2013年、2014年は3位で合計5回の表彰台を獲得した。
セパン・インターナショナル・サーキットは1999年にグランプリを初開催し、以来、毎年開催を続けてきた。全長5.5kmのコースに低速から高速まで様々なタイプのコーナー(5つの左コーナーと10の右コーナー)が混在し、それらを、最長920mのものを含めて、2本あるストレートがつなぐ。気温、湿度ともに非常に高く、また決勝の周回数がグランプリ・カレンダーのなかでも最多となるため、ライダーにとっても厳しいコース。マシン・セッティングには精確さが要求され、それによってエキサイティングなレースが展開される。
■バレンティーノ・ロッシ
「セパンは好きなコースの一つ。大のお気に入りなんだけど、それと同時に、いつも天候に悩まされて難しいレースになってしまうところでもあるんだ。いつも暑い場所なので、滞在中は飲み物や食べ物にも気をつけなければならない。体力的にもとても厳しいところだけれど、今年の僕は絶好調だ。先週のフィリップアイランドはいろいろ大変だったけれど、最後にいいレースができたので満足。マレーシアではプラクティス初日から調子を上げ、日曜日の決勝ではまた表彰台に上りたい」
■ホルヘ・ロレンソ
「フィリップアイランドは予想外の結果になった。気温が非常に低く、タイヤをなかなか温められなかったことが主な原因で、あのような難しいコンディションのなかでは、思い通りに走ることができないんだ。セパンはまったく違ったタイプのコース。ここでは何度もテストを行なっているためコース・レイアウトを知り尽くしているが、今シーズンはちょっと変化もあった。アスファルトが新しくなっているので、シーズン開幕前とは状況が変わっているだろう。今回はタイヤの温度を気にする必要がないので、また表彰台を目指していくよ」
■マッシモ・メレガリ/チーム・ディレクター
「フライアウェイ3連戦の最終戦、マレーシアへ向かう。セパンはヤマハと相性がよく、今回もいいレースが期待できる。コースは路面が新たに舗装されたのでタイヤの消耗は気になるところだけれど、凸凹がなくなったことはライダーたちも歓迎している。最終コーナーは逆バンクになった特別な場所。しかも多くのオーバーテイクが試みられるため、ミスも犯しやすくなる。好天を期待しているが、暑さの中では身体的コンディションも重要なポイントの一つになるだろう。ここ2戦、厳しい戦いが続いたので、残りの2戦は優勝をねらっていきたい。2016シーズンを最高の形で締めくくることが我々の目標だ」