予選で1分46秒を記録した16番手スタートとなったヤマルーブ・ヤマハファクトリーレーシングの中須賀克行。前日のスタート練習で「かなり手応えがある」と語っていたとおり抜群のスタートを決め、最終的には11位という結果で日本GPを終えた。
■中須賀克行(予選16番手、決勝11位)
「まず、自分のことよりも、ロッシとロレンソが転倒し、タイトルがライバルメーカーに渡ってしまったことが、ヤマハのライバルとして、また、YZR-M1の開発ライダーとして悔しいですし、来年のタイトル奪還に向けて改めて気持ちを引き締めています。このウイークをとおして、YZR-M1をどのように自分に合わせていくか、そしてミシュランタイヤにどのように合わせていくかを考えて走りました。今日のウオームアップではセッティングがうまくまとまらなかったのですが、その後にECUを調整したら、いい方向にいきました。ただ、これは自分の未熟な部分ですが、タイヤの空転を防げるときと、それができないときがあり、この辺がMotoGPライダーとの差だと思います。もちろんこれも含め、ライダーとしてもっと自分を高めていきたいと思います。レースではヤマハファン、MotoGPファンの前でプッシュし続ける走りができました。応援してくれたファンの皆さんには感謝しています。次のレースは全日本最終戦のMFJ-GPです。ここではJSB1000クラスのチャンピオンがかかっていますが、いつもどおりに準備を進め、優勝、そしてチャンピオン獲得を目指して頑張りますので、こちらも応援してください」
■尾方宏彰/チーム監督
「今回はエンジンなどのハード面ではなく、例えばECUなどの細かい部分での開発作業が主となりました。いつものテストだと、パーツ類のテストはもちろんですが、常にMotoGPチームを基準とし、中須賀選手用にYZR-M1をセットアップすることはほとんどありません。しかし今回は、開発テストを含めながらではありますが、中須賀選手用にYZR-M1をセットアップし、レーシングライダー中須賀選手が望むYZR-M1はどのようなものか、中須賀選手自身が速く走るには何が必要かを知ることができ、とても新鮮であると同時に得るものもたくさんありました。こうした開発を兼ねての参戦なので、結果を求めるものではありませんが、決勝レースでのスタートは抜群で、データ的にはロッシを上回るものでした。これは、間違いなく今後に生かされますし、レースでないと得られない情報でもあります。一方、開発陣としては、全日本ロードレースで5連覇がかかっている中須賀選手が、この日本グランプリを無事に終えることができてホッとしています。最後に、チームと中須賀選手を応援してくださったファンの皆さんに感謝いたします。ありがとうございました」