MotoGP第20戦バレンシアGP MotoGPクラス3日目は、現地時間午前10時40分(日本時間午後6時40)から10分間のウォームアップ走行で始まった。気温13度、路面温度10度、湿度68％、晴れたドライコンディション。1位ヨハン・ザルコ(ドゥカティ)、2位ブラッド・ビンダー(ドゥカティ)、3位ホルヘ・マルティン(ドゥカティ)、中上貴晶(ホンダ)は18位。途中、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)のマシンから白煙が上がり、オレンジディスクの黒旗が出された。決勝ポールポジション予定だったビニャーレスは、これを無視したとされ、3ポジションダウンの4番手からスタートのペナルティーが科される。

　現地時間午後3時(日本時間午後11時)から27周で争われる決勝は、気温19度、路面温度24度、湿度47％、晴れたドライコンディション。延べ2857925人の観客が見守った2023年MotoGP最後の決勝。ビニャーレスのペナルティーでポールポジションスタートとなったフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)がホールショットを獲り、2番手はホルヘ・マルティン(ドゥカティ)、チャンピオンシップ争いの2台が前に出た。続いて、ビンダー、ジャック・ミラー(KTM)、ザルコ、ビニャーレス、アレックス・マルケス(ドゥカティ)、マルコ・ベゼッキ(ドゥカティ)、マルク・マルケス(ホンダ)、ラウル・フェルナンデス(アプリリア)。

　1周目から、マルク・マルケスと絡みベゼッキが転倒。調査の結果、マルク・マルケスのペナルティーは科せられず、レースは続いた。3周目、1コーナーでバニャーヤのインに入ろうとしたマルティンが、接触しコースを外れ8番手に順位を落とす。トップはバニャーヤ、2番手に上がったビンダーが最速ラップで追う。

　6周目、8番手から順位を取り戻し始めたマルティンが、マルク・マルケスのインに入ろうとして、マルク・マルケスの肘に前輪が当たり、コースアウト。マルク・マルケスも激しく転倒。二人はリタイア。バニャーヤの年間チャンピオンがここで決定する。バニャーヤがそれを振り返り目視する隙にビンダーが前へ出てトップ。7周目にはミラーもバニャーヤの前に出てKTMがワンツー態勢になる。9周目、後方でエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)が転倒。アウグスト・フェルナンデス(ガスガス)も転倒。

　ビンダー、ミラー、バニャーヤ、ザルコ、ビニャーレス、アレックス・マルケス、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)、アレイシ・エスパロガロ(アプリリア)、ラウル・フェルナンデス、フランコ・モルビデリ(ヤマハ)の順で折り返した残り14周、ビンダーがコースを外れてロングラップへ入り順位を落とす。6番手に順位を落としたビンダーは、前を行くアレックス・マルケスを抜くときに接触があり、1ポジションダウンのペナルティーを科される。この接触にアレックス・マルケスが腕を振って抗議していた隙に、ジャンアントニオもアレックス・マルケスの前へ出た。

　残り11周にトップ集団は、ミラー、バニャーヤ、ザルコ、ビニャーレス、ビンダー、ジャンアントニオの順になった。残り9周、トップを走っていたミラーが11コーナーで転倒。トップがバニャーヤとなり、ザルコ、ビンダー、ジャンアントニオ、ビニャーレスと続く。

　残り8周では、アレックス・リンス(ホンダ)も1コーナーで転倒。残り3周では、ポル・エスパロガロ(ガスガス)も転倒。トップはバニャーヤのままチェッカー。2番手でゴールしたジャンアントニオは、タイヤ空気圧違反でポジションダウンがあり、2位ザルコ、3位ビンダー。4位ジャンアントニオ、5位ラウル・フェルナンデス。中上は12位。

　バニャーヤが2年連続MotoGPクラス年間王者に輝いた。


MotoGP 第20戦バレンシアGP MotoGPクラス3日目 決勝結果
1 フランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)
2 ヨハン・ザルコ(ドゥカティ)
3 ブラッド・ビンダー(ドゥカティ)
4 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)
5 ラウル・フェルナンデス(アプリリア)
6 アレックス・マルケス(ドゥカティ)
7 フランコ・モルビデリ(ヤマハ)
8 アレイシ・エスパロガロ(アプリリア)
9 ルカ・マリーニ(ドゥカティ)
10 マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)
11 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)
12 中上貴晶(ホンダ)
13 ロレンツォ・サルバドーリ(アプリリア)
14 ポル・エスパロガロ(ガスガス)
NC アレックス・リンス(ホンダ)
NC ジャック・ミラー(KTM)
NC アウグスト・フェルナンデス(ガスガス)
NC エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)
NC ホルヘ・マルティン(ドゥカティ)
NC マルク・マルケス(ホンダ)
NC マルコ・ベゼッキ(ドゥカティ)