MotoGPクラスで今年から始まったスプリントレース、ティソ・スプリントは、フランス、ルマン、ブカッティ・サーキットで、開催国フランスの15時から13周で争われた。レース前のグリッドには、元F1レーサーのジャン・アレジの姿も見られ、多くの観客、サーキットの会場内には多くの観客のバイクと思われるバイクも並び、会場全体が華やかな空気の中で行なわれた。天気はほぼ晴れ、気温21度、路面温度37度。

　ポールポジションからホールショットをフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)が奪取したものの、バニャーヤ、ホルヘ・マルティン(ドゥカティ)、ジャック・ミラー(ドゥカティ)、マルク・マルケス(ホンダ)はテイルトゥーノウズ、サイドバイサイドでまったく離れずレース序盤から激しい争いとなった。2周目7コーナーでミラーが転倒すると、3周目にマルティンがバニャーヤを抜いてトップに立つ。マルティンはそのままスピードを速め、後続を離し始めた。

　４周目にはブラッド・ビンダー(KTM)がファステストラップを出したのち、前でかなり激しく、膝が当たる距離でバトルをしていたバニャーヤとマルク・マルケスをシケインでパスして2位に浮上。5周目には、バニャーヤとマルク・マルケスのバトルにルカ・マリーニ(ドゥカティ)が追いつき、3台による激しい3位争いとなった。

　同じ5周目には、7コーナーでアウグスト・フェルナンデス(ガスガス)が転倒。アレックス・マルケス(ドゥカティ)は6周目、ジョナス・フォルガー(ガスガス)も7コーナーで8周目に転倒。地元フランス出身のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)も9周目9コーナーで転倒。路面温度が高いせいか、厳しい戦いとなった。

　激しい3位争いの後ろでは、ヨハン・ザルコ(ドゥカティ)、マルコ・ベゼッキ(ドゥカティ)、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)らも、膝がぶつかり合うような激しい順位争いをしており、スプリントレースらしい、一瞬たりとも目が離せない状況だった。

　激しく争い続けていたバニャーヤとマルク・マルケスの闘いは終盤、バニャーヤがマルク・マルケスをパスして行く。ラスト3周目には、マリーニもマルク・マルケスを抜いて4位に浮上し、順位は、1位マルティン、2位ビンダー、3位バニャーヤでチェッカーフラッグを受けた。4位マリーニ。5位マルク・マルケス。6位に自国フランス出身ライダーのザルコが入った。

　日本人ライダーの中上貴晶(ホンダ)はトップから9.439秒後に10位でフィニッシュ。

MotoGP第5戦フランスGP MotoGPクラススプリントレース結果
1 ホルヘ・マルティン (ドゥカティ）
2 ブラッド・ビンダー (ドゥカティ）
3 フランチェスコ・バニャーヤ (ドゥカティ）
4 ルカ・マリーニ （ドゥカティ）
5 マルク・マルケス （ドゥカティ）
6 ヨハン・ザルコ (ドゥカティ）
7 マルコ・ベゼッキ (ドゥカティ）
8 アレイシ・エスパルガロ （アプリリア）
9 マーベリック・ビニャーレス (アプリリア)
10 中上貴晶 （ホンダ）
11 アレックス・リンス （ホンダ）
12 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ (ドゥカティ）
13 フランコ・モルビデリ （ヤマハ）
14 ジョアン・ミル （ホンダ）
15 アレックス・マルケス (ドゥカティ）
16 ダニロ・ペトルッチ (ドゥカティ）
17 ロレンツォ・サバドーリ （アプリリア)
NCR ファビオ・クアルタラロ （ヤマハ）
NCR ジョナス・フォルガー （ガスガス)
NCR アウグスト・フェルナンデス (ガスガス）
NCR ジャック・ミラー (KTM)