MotoGP第3戦アルゼンチンGP、MotoGPクラスは、アルゼンチンのアウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドで決勝レースを行ない、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が優勝した。
MotoGPクラスの決勝レースは気温26度、路面温度35度のドライコンディションで争われた。スタートで飛び出したのはマルク・マルケス(ホンダ)。マルケスはリアタイヤにエキストラハードではなく、ハードコンパウンドをチョイス。スタートから逃げ切る作戦に出た。1周目に2番手以下にコンマ802秒の差をつけてトップで戻ってきたマルケスは、その差をどんどん広げ、レース中盤の10周目には約4秒314のリードを築く。しかし、この周に2番手に浮上したロッシは、エキストラハードコンパウンドのリアタイヤを装着し、後半に勝負をかけていた。ここからロッシはマルケスとの差を少しずつ縮め、レース後半の20周目にはファステストラップを更新してマルケスとの差を1秒2まで縮める。
23周目にはその差がコンマ134秒まで縮まり、ロッシはマルケスの背後に迫る。そして残り2周となった24周目のバックストレートでスリップから抜け出したロッシがトップに浮上。バックストレートエンドの右5コーナーではインをついたマルケスとアウト側のロッシが接触、ロッシが前、マルケスが背後につけて続く左6コーナーに向かう。ここでマシンを切り返したロッシのリアとマルケスのフロントが接触。マルケスは転倒し、マシンはコースサイドへと滑っていく。すぐにマシンに駆け寄ったマルケスだったが、再スタートをあきらめリタイアに。
ロッシはそのままトップでチェッカーを受けた。この接触は審議対象となったものの、レース終了直後の段階でレーシングアクシデントと判断され、ペナルティの対象とはならなかった。表彰台にはアルゼンチンのサッカーの英雄、マラドーナのシャツを着て登場し、ファンの声援に応えていた。今シーズン2勝目を記録したロッシは、ランキングトップをキープ。ノーポイントに終わったマルケスはランキング5位に後退した。
序盤からロッシと2番手争いを展開したアンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)2位でゴールし、ランキング2位をキープ。終盤に2番手争いからは遅れたものの、カル・クロッチロウ(ホンダ)とアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)の表彰台をかけた争いは、最終ラップの最終コーナーで決着がつき、クロッチロウが僅差で今シーズン初表彰台となる3位を獲得。イアンノーネが4位に続いた。
ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)はスタート直後こそトップ争いにからんだものの、その後、後退。終盤、一度はイアンノーネとクロッチロウに追いつきかけたものの、最後は単独5位でゴール。ブラドリー・スミス(ヤマハ)6位に入賞し、フロントロウスタートのアレックス・エスパロガロ(スズキ)は序盤はトップ集団にいたものの、次第に遅れ、それでも今季ベストとなる7位でチェッカーを受けた。後方から追い上げたポル・エスパロガロ(ヤマハ)8位でゴール、スコット・レディング(ホンダ)が9位で続き、マーベリック・ビニャーレス(スズキ)が10位に入賞した。
ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)が11位に続き、ジャック・ミラー(ホンダ)がオープントップとなる12位に入賞。エクトル・バルベラ(ドゥカティ)が13位、ロリス・バズ(フォワード-ヤマハ)が14位とグランプリ初ポイントを獲得。ステファン・ブラドル(フォワード-ヤマハ)も15位入賞で今シーズン初ポイントを獲得した。
以下、16位にニッキー・ヘイデン(ホンダ)、17位にユージン・ラバティ(ホンダ)、18位にマイク・デ・ミオ(ドゥカティ)、19位にアルバロ・バウティスタ(アプリリア)、20位にマルコ・メランドリ(アプリリア)、21位にカレル・アブラハム(ホンダ)、22位にアレックス・デ・アンジェリス(ART)の順でゴール。青山 博一(ホンダ)は1周目を22位で通過、中盤から終盤にかけてポジションを上げて、最終ラップに11位を走行していたが、転倒リタイアに終わった。ヨニー・エルナンデス(ドゥカティ)は7周目にマシンから火が出て、コースサイドでストップし、そのままリタイアとなった。