全日本ロードレース第6戦岡山JSB1000クラス決勝は野左根航汰（YAMAHA FACTORY RACING TEAM）が優勝した。

　昼前に本格的に降り出した雨は、強まったり弱まったりしながらもやむ気配を見せなかった。JSB1000クラスは水しぶきを上げながらスタート。ホールショットを奪ったのは水野涼（MuSASHi RT HARC-PRO. Honda）。すぐに野左根が首位奪取。オープニングラップから後続を引き離しにかかる。

　1周目終了時点で野左根は2番手の水野を1秒以上引き離した。水野の背後には中須賀克行（YAMAHA FACTORY RACING TEAM）、高橋巧（Team HRC）と続く。

　4周目終了時点でトップ4台は5位以下を10秒ほど引き離した。水野は野左根の1秒ほど後ろで周回。中須賀はペースが上がらず3番手単独走行。高橋巧も中須賀から離されて単独4番手走行に移行。

　レース折り返しの12周終了時点で野左根が水野を2秒近く引き離した。野左根はその差を周回ごとに少しずつ広げ、トップ独走で今季初、JSB1000クラスで3度目の優勝を飾った。水野は2位に甘んじたものの前戦に次いで2戦連続の2位表彰台獲得。中須賀は3位に終わった。


優勝・野左根航汰（YAMAHA FACTORY RACING TEAM）
「去年の予選もウエットコンディションで、そこで乗れていたこともあり、今日は状況が違うけど自信がありました。ドライでも調子がよかったので、ドライでもレースはしたかったけど、優勝できてよかったです。途中、転倒しそうになったときもありましたが、耐えて必死に逃げました。中須賀選手の前でゴールするのは初めてだし、水野選手にも前戦の借りを返せてうれしいです。表彰台のてっぺんに立つ中須賀選手をいつも隣で見ていたし、チームではセカンドという感じでメカニックには申し訳ない気持ちがありました。だから今日は喜んでいるのを見て、本当にうれしいです。オートポリスは好きなコースだし、今回の優勝をはずみにして、ドライでも優勝したいです」

2位・水野涼（MuSASHi RT HARC-PRO. Honda）
「テストから含めて、今のバイクでの初ウエットコンディションでした。セットアップが作れていなかったから、ほぼぶっつけ本番で、序盤は探り探りでした。スタートが一列目だったので飛び込んだけど、どんなペースになるか分からず、野左根選手に抜かれてからはついて行くことしました。どこまで粘れるかというレースでした。野左根選手に負けての2位はすごく悔しいけど、想像よりも高いペースで最後まで走ることができました」

3位・中須賀克行（YAMAHA FACTORY RACING TEAM）
「今日は二人のペースが速かったです。サイティングラップの走りを見たときに『今日は（野左根）航汰が勝つな』と思うほど、いい走りをしていました。それをレースの最後までキープして優勝したのは見事だと思うし、おめでとうと言いたいです。自分は精いっぱいで3位でした。ドライではコースレコードも更新できたし、本当はドライで勝負したかったけど、レインだってレースはレースですからね。苦手意識はありますが、詰めていく課題も見えたし、次につながるレースになりました」