MotoGP第11戦オーストリアGP MotoGPクラス3日目、決勝が日曜日、オーストリア、レッドブルリンクで開催された。日本時間午後3時40分からのウォームアップ走行では、気温18度、路面温度24度、湿度85％、かなり曇ったドライコンディションで、1番手マルク・マルケス(ドゥカティ)、2番手フランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)、3番手アレックス・マルケス(ドゥカティ)だった。中上貴晶(ホンダ)は20番手。

　日本時間午後9時(現地時間午後2時)から28周で争われた決勝は、気温26度、路面温度32度、湿度64％、ドライコンディション。晴れてはいるものの、山の方には雨が降り出すかもしれない厚い雲がある不安定な状態だった。タイヤは全員、前後ミディアムタイヤを選択した。

　開催に先駆けて、満員のグランドスタンドでは、オーストリア国旗の色の赤と白の旗が振られ、飛行機やヘリコプターによるデモンストレーションや、レッドブルのパラシュートを付けた人が大きなオーストリア国旗を持って降りて来るなど、さまざまな余興が行なわれた。KTM応援スタンドはオレンジ一色に染まり、オーストリアのバンド、グラナドによる国歌斉唱が行なわれ、延べ150187人の観客が見守る中で決勝は始まった。

　スタートは、ポールポジションからホルヘ・マルティン(ドゥカティ)が好スタートでトップに立つ。続いて、バニャーヤ、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)、ジャック・ミラー(KTM)、ブラッド・ビンダー(KTM)、アレイシ・エスパロガロ(アプリリア)、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)、マルコ・ベゼッキ(ドゥカティ)、ポル・エスパロガロ(KTM)、アレックス・マルケス、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)と続いた。マルク・マルケスとフランコ・モルビデリ(ドゥカティ)はスタート直後に接触し、1コーナーで大きくコースを外れ、それぞれ14番手と17番手まで順位を落とした。

　バニャーヤは、2周目に入るストレートから1コーナーにかけて、マルティンと並び、かわしてトップに立つ。それ以降バニャーヤは、マルティンより僅かに速いペースでトップをキープ。折り返す頃には1秒以上の差を広げた。2番手マルティンも、バニャーヤには及ばないまでも、徐々に3番手バスティアニーニを引き離し、2番手を独走でキープ。バスティアニーニも安定したペースで3番手を独走した。

　6周目にはルカ・マリーニ(ホンダ)がマシントラブルでリタイア。ラウル・フェルナンデス(アプリリア)は27周でリタイアとなった。ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)はトラックリミット超過でロングラップペナルティーにより順位を落とした。

　中盤では、ビンダー、ベゼッキに続いて4番手争いをしていたミラーの後ろタイヤに、追い上げてきたマルク・マルケスの肘が当たる激しい争いが繰り広げられ、その次の周ではミラーが転倒。順位を落とすがミラーは再スタート。

　最終ラップまで安定した走りでバニャーヤが３年連続オーストリアGP優勝。オーストリアのMTBフリースタイルライダー、ファビオ・ウィブマーの降るチェッカーを受けた。2位マルティン、3位バスティアニーニ、4位に追い上げたマルク・マルケスが入った。5位は地元チームKTMのビンダー。中上は14位完走で、日本メーカートップ、2ポイント獲得。

　年間ポイントは、バニャーヤがトップで275、マルティン2番手270、バスティアニーニ3番手214。アラゴンGPとイタリアでの2戦の以降は、アジアGPも控え、得意サーキットもそれぞれの3人の熱い戦いが観られそうだ。


MotoGP 第11戦オーストリアGP MotoGPクラス3日目 決勝結果
1 フランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)
2 ホルヘ・マルティン(ドゥカティ)
3 エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)
4 マルク・マルケス(ドゥカティ)
5 ブラッド・ビンダー(KTM)
6 マルコ・ベゼッキ(ドゥカティ)
7 マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)
8 フランコ・モルビデリ(ドゥカティ)
9 アレイシ・エスパロガロ(アプリリア)
10 アレックス・マルケス(ドゥカティ)
11 ポル・エスパロガロ(KTM)
12 ミゲール・オリベイラ(アプリリア)
13 ペドロ・アコスタ(KTM)
14 中上貴晶(ホンダ)
15 アウグスト・フェルナンデス(KTM)
16 アレックス・リンス(ヤマハ)
17 ジョアン・ミル(ホンダ)
18 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)
19 ロレンツォ・サルバドーリ(アプリリア)
20 ジャック・ミラー(KTM)
21 ヨハン・ザルコ(ホンダ)
22 ステファン・ブラドル(ホンダ)
RT ラウル・フェルナンデス(アプリリア)
RT ルカ・マリーニ(ホンダ)