MotoGPクラスの決勝は現地時間午後2時(日本時間午後9時)からオーストリア、レッドブル・リンクで行なわれた。昨日のスプリントでの接触により、ホルヘ・マルティンはロングラップペナルティーを科せられた。午前中のウォーミングアップ走行では、ロングラップペナルティーの練習をしようと、1コーナーで進路を変えたホルヘ・マルティンが転倒するアクシデントがあったものの、レースには無事に出場できた。
　青空の下でレース直前まで、飛行機やヘリコプターによる航空ショーやコース上でのアレクサンダー・エーダーという歌手の熱唱が行なわれた。延べ173017人の観客に見守られたオーストリアGPはMotoGPクラス決勝を迎え、気温30度、路面温度33度以上の熱気があるようだった。湿度36％ドライコンディション。28周で争われる。
ホールショットを奪ったのはポールポジションから、かなりの好発進をしたフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)、続いて地元KTMのブラッド・ビンダー(KTM)が2番手、ジャック・ミラー(KTM)3番手、アレックス・マルケス(ドゥカティ)4番手、ルカ・マリーニ(ドゥカティ)5番手、マルコ・ベゼッキ(ドゥカティ)6番手、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)7番手、ホルヘ・マルティン(ドゥカティ)8番手、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)9番手、アレイシ・エスパロガロ(アプリリア)10番手、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)11番手。
　予選2位のビニャーレスは昨日に続き、苦しいスタートとなったが、2周目には順位を上げて8番手に着ける。2番手のブラッド・ビンダーは最速ラップ1秒30秒304を出し、バニャーヤを追い上げようとした。しかし、バニャーヤもすかさず1分29秒840の最速ラップを出し、後続を離す。
　4周目には7番手まで上がっていたマルティンがペナルティーのロングラップに入り、順位を落とした。バニャーヤとビンダーが激しくトップ争いをする中、3番手にはミラーを抜いて、アレックス・マルケスが浮上。5周目に入ると、ベゼッキとマリーニもミラーを抜き、3番手アレックス・マルケス、4番手ベゼッキ、5番手マリーニ、6番手ミラーの順になる。
　11周目にはビニャーレスもミラーを抜いて6番手に浮上。12周目にはアレイシ・エスパロガロ、バスティアニーニ、マルティンがミラーの前に出て、トップ、バニャーヤ、続いてビンダー、アレックス・マルケス、ベゼッキ、マリーニ、ビニャーレス、アレイシ・エスパロガロ、バスティアニーニ、ミラーの順となる。
　13周目、ジョアン・ミル(ホンダ)は3コーナーでクラッシュ。ベゼッキはアレックス・マルケスを1コーナーで抜こうとするが、接触しそうになり、アレックス・マルケスが前のまま3番手。トップのバニャーヤとビンダー、ビンダーとアレックス・マルケスの差はだんだん広がってレースを折り返した。
　レース後半に入ると、アレックス・マルケスとベゼッキにマリーニも追いついてきた。残り6周になると9コーナー過ぎでベゼッキがアレックス・マルケスを抜いた。その後はマルティンとマリーニが激しく4番手を争い、残り3周の1コーナーでマリーニが前に出た。
　トップのバニャーヤと2番手ビンダーは、そのまま安定した走りでチェッカーを受け、最終トップ3は、1位バニャーヤ、2位ビンダー、3位ベゼッキ。日本人ライダー中上貴晶(ホンダ)は18位完走。チャンピオンシップポイントが1位バニャーヤ251、2位マルティン189、3位ベゼッキ183となった。レース後には、バニャーヤとベゼッキがバレンティーノ・ロッシたちとコース場で喜ぶ姿が見えた。地元オーストリアの国旗色やKTMのオレンジ色の観客も、ビンダーの2位入賞に沸いていた。


MotoGP 第10戦オーストリアGP MotoGP決勝結果
1 フランチェスコ・バニャーヤ (ドゥカティ)
2 ブラッド・ビンダー (KTM)
3 マルコ・ベゼッキ (ドゥカティ)
4 ルカ・マリーニ (ドゥカティ)
5 アレックス・マルケス (ドゥカティ)
6 マーベリック・ビニャーレス (アプリリア)
7 ホルヘ・マルティン (ドゥカティ)
8 ファビオ・クアルタラロ (ヤマハ)
9 アレイシ・エスパロガロ (アプリリア)
10 エネア・バスティアニーニ (ドゥカティ)
11 フランコ・モリビデリ (ヤマハ)
12 マルク・マルケス (ホンダ)
13 ヨハン・ザルコ (ドゥカティ)
14 アウグスト・フェルナンデス (ガスガス)
15 ジャック・ミラー (KTM)
16 ポル・エスパロガロ、 (ガスガス)
17 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ (ドゥカティ)
18 中上貴晶 (ホンダ)
19 ロレンツォ・サルバドーリ (アプリリア)
20 イケル・レクオナ (ホンダ)
NC ラウル・フェルナンデス (アプリリア)
NC ジョアン・ミル (ホンダ)
NC ミゲール・オリベイラ (アプリリア)