Moto3クラスの決勝はオーストリア、レッドブル・リンクで8月20日、日曜日の午前11時(日本時間午後6時)から行なわれた。雲はあるものの気持ちよく晴れた空で、気温26度、路面温度も26度、湿度71％のドライコンディション。
　ホールショットを奪ったのはダニエル・オルガド(KTM)、2番手デニス・オンジュ(KTM)、3番手コリン・ベイヤー(ハスクバーナ)、4番手ダビド・アロンソ(ガスガス)、5番手ジャウメ・マシア(ホンダ)、6番手リカルド・ロッシ(ホンダ)、7番手に日本人ライダー佐々木歩夢(ハスクバーナ)と続いた。
　2周目に入る頃には、オンジュをベイヤーが抜き、佐々木がロッシを抜いて、1番手オルガド、2番手ベイヤー、3番手オンジュ、4番手アロンソ、5番手マシア、6番手が佐々木、7番手ロッシとなり、先頭7台とその後方集団では1秒533の差が開いた。
　3周目で佐々木はファーステストラップを叩き出すなど、アグレッシブな走りを見せた。前を行くマシアにマシントラブルが起こったときには、素晴らしいライディングで間一髪のところを切り抜けた。
　マシアがトラブルでリタイアしたため、佐々木は順位を更にひとつ上げ、5番手となる。その頃に後方では、イバン・オルトラ(KTM)が18番手スタートから8番手まで順位を上げていた。
　7周目には、アロンソがファーステストラップを出し、一度は開いた3番手と4番手の間が再び詰まりだした。佐々木はアロンソの後ろにほぼテイルトゥーノーズで付き、6番手のロッシとの差は1秒以上開きだした。
　レース中盤では、アロンソと佐々木は、前に居たオルガド、ベイヤー、オンジュに追いつき、上位5台が混戦となった。10周目には、1番手オルガド、2番手アロンソ、3番手オンジュ、4番手ベイヤー、5番手に佐々木の順となる。しかしオルガドは、残り9周のとき、2コーナーのシケインでスリップ、転倒。再スタートは切れたものの大きく順位を落とす。それにより佐々木は4番手に浮上。
　その後、残り8周では、佐々木がベイヤーとオンジュを抜き、オルガドと激しくトップ争いをする。残り7周では1番手に佐々木、2番手オルガド、3番手オンジュ、4番手ベイヤーの上位4台の争いが激しくなり、周回ごとにトップが変わる戦いとなった。
　残り2周でもトップの佐々木とオルガド、オンジュはお互い順位を入れ替える激しい争いを続け、最終ラップ、1コーナーで佐々木がオンジュを抜いてトップに立つ。しかし最終コーナー、再びオルガドが佐々木をインから抜いた後、オンジュもすかさず佐々木のインを突きに来て、そのままトップスピードを上げオンジュがトップでチェッカーとなった。1位のオンジュと2位のオルガドの差は0.005。写真では、タイヤ半分差に見えた。佐々木は3番手。レース直後のインテビューでは、最終コーナーは、接触を避けてリミットラインを踏まないための難しい走りとなり苦しい戦いだったと述べていた。
　　KTMの地元オーストリアで、KTMの125cc/Moto3での100回目の優勝をオンジュが果たした。表彰台では、オンジュにKTMテストライダーのダニ・ペドロサがトロフィーを渡す姿が見えた。日本人ライダーは佐々木が3位、山中琉聖(ガスガス)が7位、鈴木竜生(ホンダ)が13位、鳥羽海斗(ホンダ)が14位、古里太陽(ホンダ)が18位という結果だった。
　これにより、ポイント争いは1位オルガド161ポイント、2位が佐々木135ポイント、3位オンジュ124ポイントと今後も目が離せなくなった。


MotoGP第10戦オーストリアGP Moto3クラス3日目決勝結果
1 デニス・オンジュ (KTM)
2 ダニエル・オルガド (KTM)
3 佐々木歩夢 (ハスクバーナ)
4 コリン・ベイヤー (ハスクバーナ)
5 イバン・オルトラ (KTM)
6 リカルド・ロッシ (ホンダ)
7 山中琉聖 (ガスガス)
8 ディオゴ・モレイラ (KTM)
9 ダビド・ムニョス (KTM)
10 ステファノ・ネパ （KTM)
11 ホセ・アントニオ・ルエダ (KTM)
12 マッテオ・ベルテッレ (ホンダ)
13 鈴木竜生 (ホンダ)
14 鳥羽海渡 (ホンダ)
15 ダビド・サルバドール (KTM)
16 ジョエル・ケルソ (CFMOTO)
17 ロマーノ・フェナティ (ホンダ)
18 古里太陽 (ホンダ)
19 チャビエル・アルティガス (CFMOTO)
20 ノア・デットワイラー (CFMOTO)
21 フィリッポ・ファリオリ (KTM)
22 スコット・オグデン (ホンダ)
23 タットチャコーン・ブーシュリ (ホンダ)
24 ロレンツォ・フェロン （KTM)
25 アナ・カラスコ (KTM)
26 マリオ・アジ (ホンダ)
27 ジョシュア・ワットリー (ホンダ)
28 シャリフディン・アズマン (KTM)
29 ダビド・アロンソ (ガスガス)
NC ジャウマ・メシア （ホンダ)