スポーツ仲介裁判所がイアンノーネに対して4年間の資格停止処分
2020/11/10
FIM(国際モーターサイクリズム連盟)は11月10日、スポーツ仲介裁判所(CAS)がアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニに所属するアンドレア・イアンノーネに対して、2019年12月17日から4年間の資格停止を決定したことを発表した。
2019年11月3日、セパン・インターナショナル・サーキットで開催された第18戦マレーシアGPの際に実施した通常のドーピング検査で、イアンノーネの尿サンプルからFIMのアンチドーピング規程及び世界アンチドーピング規程(WADA)の禁止表国際基準に掲載されている禁止物質の蛋白同化男性化ステロイド薬(ドロスタノロン/筋肉増強剤)が検出されたことから、分析結果の通知後、2019年12月17日から暫定的に資格を停止していた。
イアンノーネは、マレーシアGP前にマレーシアで摂取した汚染された肉が禁止物質の供給源であり、無罪であることを主張。決定を無効とする異議を申し立ていたが、WADAは、禁止物質の供給源が肉の汚染に起因するという必要な基準を確立できなかったという理由で、4年間の資格停止を要求。
スポーツ仲介裁判所パネルは、イアンノーネが摂取した肉の正確な種類を確認できず、イアンノーネと彼の専門家もドロスタノロンによる肉の汚染が問題であることを明確に立証できなかったことを確認。
スポーツ仲介裁判所パネルは、イアンノーネが本質的に、無実の抗議、潔白な記録及びドーピングに対するインセンティブ(誘因)の欠如の申し立て、意図的ではないと確立するには不十分な要因だったとの判断を下した。なお、意図的でない場合、適用される資格停止期間は最大で2年間とされている。
アスリートは、アンチドーピング防止規則違反(ADRV)が意図的でない確率のバランスを確立するためのものであるため、そうすることができないということは、適用されるドーピング防止規則に従い、意図的なアンチドーピング防止規則違反(ADRV)をコミットしたと見なされることを意味する。イアンノーネのアンチドーピング防止規則違反(ADRV)は、ドロスタノロンによって汚染された肉の摂取の結果である可能性を排除するものではないが、イアンノーネは、意図的ではなかったことを立証する説得力のある証拠を提供できなかったことを意味する。
スポーツ仲介裁判所パネルは、控訴された決定に反して、イアンノーネによってコミットされたADRVは、適用されるドーピング防止規則の目的のために意図的なものとして扱われるべきであり、WADAの控訴を支持すると判断を下した。
公聴会は10月15日に実施。スポーツ仲介裁判所(CAS)はイアンノーネが提出した控訴を却下し、世界アンチドーピング規程(WADA)が提出した上訴を支持。その結果、スポーツ仲介裁判所(CAS)は、3月31日付けで国際モーターサイクリズム連盟の国際規律法廷(CDI)が下した決定は取り消され、イアンノーネに4年間の資格停止期間を科すことを決定した。
イアンノーネは、11月1日以降、資格停止の開始から得た全ての結果は失格となり、メダル、ポイント、賞品の没収が含まれる。なお、11月1日以降に開催された第18戦マレーシアGPと最終戦バレンシアGPでは、イアンノーネは連続して転倒リタイアに終わっている。
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