MotoGP第12戦イギリスGP MotoGP決勝
2019/08/26
MotoGP第12戦イギリスGP、MotoGPクラスは、イギリスのシルバーストンサーキットで決勝レースを行ない、アレックス・リンス(スズキ)が優勝した。
MotoGPクラスの決勝レースは気温31度、路面温度44度のドライコンディションで争われた。スタート直後の1コーナーでファビオ・クアルタラーロ(ヤマハ)がハイサイドで転倒。後続のアンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)が目の前で転倒したクアルタラーロのマシンに乗り上げて激しくクラッシュし、両者リタイアとなる。
トップに立ったのはマルク・マルケス(ホンダ)。リンスが2番手で続き、1周目から3番手以下にコンマ5秒ほどのリードを築く。4周目にはその差が1秒以上に広がり、トップ争いはマルケスとリンスの一騎打ちとなる。
終始レースをリードしたのはマルケスだったが、リンスもコンマ1秒前後の僅差でマルケスをレース終盤まで追い、テールtoノーズの接戦が展開される。残り2周の15コーナーでリンスがマルケスの前に出るが、直後のストレートでマルケスがトップを奪還。最終コーナーではリンスが前に出るが、インからマルケスが先行して最終ラップに入る。
マルケスはトップをキープして最終コーナーを迎えるが、インからリンスがマルケスに並び、ゴールライン直前、前に出ることに成功。0.013秒の僅差でリンスが優勝し、第3戦アメリカズGP以来、リンスが今シーズン2勝目を記録した。
「今日の勝利は信じられないよ。マルクを倒すのは難しいと思ったけど、トライしたかったし、素晴らしい成果を上げた。いくつかのセクターでは彼はボクより速かったが、その他の部分でそれを補うことができた。レース終盤に入って、ボクのほうがペースがいいと感じたので、優勝をめざしてチャンスをつかまなければならないと自分に言い聞かせた。チームの全員に感謝している」とリンス。
マルケスは最終コーナーでフロントが滑り、スロットルをわずかに戻したため加速が鈍り、ゴールライン直前でリンスに交わされて2位となった。0.013秒という二人のタイム差は最高峰クラス歴代4位の僅差のゴール記録となった。
「2位という結果には満足しているが、レースの大半をリードしたにも関わらず、最後に負けたというのは最高の気分とは言えない。1度ペースを落としてリンスがどうリードするのか様子を見たが、彼はリードしなかった。ビニャーレスが来ているのが分かっていたので、プッシュし続けた。レースの結果ではなく、チャンピオンシップが目標だった。最終ラップの最終コーナーはフロントが逃げて、スロットルを戻さなければならず、リンスに先行されてしまった。でも、チャンピオンシップでは78ポイントリードとなったのでハッピー。大きなクラッシュに見舞われたドビが大丈夫なことを望んでいる。早く回復して戻って来てくれるといいね」とマルケス。
3位にマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)が入賞。6番手スタートのビニャーレスは序盤は4番手をキープ。7周目にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)を交わして3番手に上がった時点で、トップを争う二人とは約2秒半の差があったが、中盤すぎからその差を縮め始め、レース終盤、マルケスとリンスのポジション争いが激しくなると急速にその差が縮まり、最終ラップに入った時点でコンマ5秒ほどの差となったが、二人に追いつくところまでは行かず、3位でゴールとなった。
「もっと早くにトップ争いの二人に近づいていたら、勝負をかけられたかどうかは分からない。周回ごとに差を縮めていたが、わずか1周で大きな差を埋めることはできなかった。ベストをつくし、今日のマシンでは最大限の成果を得たと思う。3位という結果には満足している。トラクションと最高速度が少し足りなかった。多くのコーナーで速かったが、他のコーナーではできる限りのベストをつくした。このウイークでマシンはかなり改善したと思うが、それが重要だ」とビニャーレス。
ロッシは序盤は3番手を走っていたが、ビニャーレスに交わされて4番手となり、その後、単独4位のポジションをキープ。最終的にビニャーレスに約10秒ほどの差をつけられたが、4位でゴールした。
5位にフランコ・モルビデリ(ヤマハ)が入賞。モルビデリは序盤はカル・クロッチロウ(ホンダ)、ジャック・ミラー(ドゥカティ)と5番手争いを展開。中盤以降、単独5番手となり、終盤には前を行くロッシとの差を少しずつ縮めたが、追いつくところまでは行かず、5位でゴール。クロッチロウは単独6番手をキープし、6位に入賞。
追い上げたダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)が7位に続き、ミラーは終盤後退し、8位でゴール。9位にポル・エスパルガロ(KTM)、10位にアンドレア・イアンノーネ(アプリリア)が入賞。
フランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)が11位、ジョアン・ミル(スズキ)の代役として参戦したシルバン・ギュントーリ(スズキ)は12位に入賞。ハフィス・シャリン(KTM)が13位に続き今シーズンベストリザルトを獲得。ケガからの復帰戦となったホルヘ・ロレンソ(ホンダ)は14位に入賞。カレル・アブラハム(ドゥカティ)が15位に続いた。
ティト・ラバット(ドゥカティ)は6周目の13コーナーで転倒。再スタートしたが、ロングラップペナルティを課せられ、16位でゴール。中上 貴晶(ホンダ)は8番手争いをリードしていた7周目の16コーナーで転倒を喫し、再スタート、17位でチェッカーを受けた。
アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)はトップ10圏内を走っていたが、残り1周でピットに戻ってリタイア。ミゲール・オリベイラ(KTM)とヨハン・ザルコ(KTM)は12番手を争っていた9周目の14コーナーでオリベイラのインを差したザルコが接触、両者転倒し、リタイアに終わった。ザルコは他のライダーを危険にさらした行為でペナルティを受け、次戦で3グリッド降格となる。
チャンピオンシップ争いでは、ランキング2位のドビジオーゾがノーポイントに終わったため、トップのマルケスのリードは、78ポイント差に拡大した。
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