MotoGP第11戦オーストリアGP MotoGP決勝
2019/08/12
MotoGP第11戦オーストリアGP、MotoGPクラスは、オーストリアのレッドブル・リンクで決勝レースを行ない、アンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)が優勝した。
MotoGPクラスの決勝レースは気温23度、路面温度32度のドライコンディションで争われた。ポールポジションからマルク・マルケス(ホンダ)が好スタートを切るが、ドビジオーゾが2コーナー付近でトップに浮上。続く3コーナー進入でマルケスがドビジオーゾのインをつくが、ラインを外し、アウト側にいたドビジオーゾも接触を避けて大回りとなり、二人共ポジションを落としてしまう。
これでトップに立ったのが、ファビオ・クアルタラーロ(ヤマハ)。ドビジオーゾはすぐに挽回して2番手で1周目を終えるが、マルケスは5番手まで後退する。クアルタラーロは4周目までトップを走るが、5周目のコントロールライン付近でドビジオーゾがトップに浮上。マルケスも3番手までポジションを挽回し、ドビジオーゾを追う。6周目にクアルタラーロとマルケスは接戦を展開。何度かポジションを入れ替えた後、マルケスが2番手に浮上する。
この時点でトップ集団はドビジオーゾ、マルケス、クアルタラーロ、ジャック・ミラー(ドゥカティ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)の5人となるが、この中からミラーが8周目の9コーナーで転倒を喫してリタイアに終わる。
8周目にはマルケスがドビジオーゾを交わしてトップに浮上。10周目に差し掛かったころには、クアルタラーロがトップを争う二人から少しずつ遅れ始め、レースはマルケスとドビジオーゾの一騎打ちとなる。逃げ切れないマルケスと逃がさないドビジオーゾの攻防はレース終盤に入っても続き、19周目に入るコントロールライン付近でドビジオーゾがトップに浮上する。
マルケスはしばらくドビジオーゾの背後について周回を重ねるが、残り3周で前に出ると、最終ラップにトップで進入。テールtoノーズの争いが続くが、コース終盤の9コーナーでドビジオーゾがマルケスのインをついて前へ出ると、そのまま逃げ切って、今シーズン2勝目を記録した。ドゥカティはこれで2016年以降、レッドブル・リンク4連勝を達成。
「またしても最終コーナーだった。突っ込みすぎれば簡単に2位に落ちてしまうけど、トライしなければならなかった。その瞬間は強さを感じた。過去のレースのことを考えていた。この勝利を懸命に仕事をしている全てのドゥカティスタッフと、ブルノのウイーク中に亡くなったルカ(ドゥカティ・コルセのプレス担当)に捧げたい。優勝することができてハッピーだよ」とドビジオーゾ。
最終ラップのバトルは、まるで2017年のレースを再現するかのような勝負となったが、マルケスは0.213秒差の2位でチェッカーを受けた。
「リアタイヤの選択をミスしたが、この結果はハッピー。上位を争った他のライダーはみんなソフトを選択しており、ミディアムを選んだボクよりグリップがあった。ボクのリアタイヤはスライドが激しかった。ドビは素晴らしい仕事をしたと思うが、ボクはまだ58ポイントリードしている」とマルケス。
クアルタラーロは終始3番手をキープ。今季3回目の表彰台となる3位に入賞した。
「信じられないようなレースだった。ボクはソフトタイヤを選んだが、ソフトでレース走り切るためのマネージメントの経験がなかった。レースをリードしているときでさえ、ボクはタイヤをセーブしようとトライしていたんだ。レース中盤以降は、バレンティーノとの差を考えて走ったよ」とクアルタラーロ。
ロッシが4位でゴール。5位にマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、6位にアレックス・リンス(スズキ)の順で続き、フランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)がMotoGPクラスベストとなる7位に入賞。ミゲール・オリベイラ(KTM)もMotoGPクラス初のトップ10フィニッシュ、ベストとなる8位に入賞した。
9位にダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)、10位にフランコ・モルビデリ(ヤマハ)が続き、中上 貴晶(ホンダ)は中盤すぎまで8番手をキープしていたが、終盤に遅れ、11位に入賞。ヨハン・ザルコ(KTM)が12位、ホルヘ・ロレンソ(ホンダ)の代役として参戦するステファン・ブラドル(ホンダ)が13位、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)が14位、カレル・アブラハム(ドゥカティ)が15位に入賞した。アンドレア・イアンノーネ(アプリリア)は16位でゴール。
ティト・ラバット(ドゥカティ)は21周目に転倒リタイア。ハフィス・シャリン(KTM)は3周目の7コーナーで転倒リタイア。ポル・エスパルガロ(KTM)は2周目の3コーナー付近でマシントラブルでスローダウンし、リタイア。コーナー中央付近でポル・エスパルガロが突然スローダウンしたため、これを避けるために後続は混乱し、この中からカル・クロッチロウ(ホンダ)が前走車と接触、転倒リタイアに終わった。
チャンピオンシップ争いではマルケスがランキングトップをキープ。ランキング2位のドビジオーゾが優勝したことで、二人のポイント差は58ポイント差に縮まった。
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