1990年7月16日生まれ。26歳。出身地フランス・カンヌ。活動の拠点をフランスとスペインの間に挟まれた小国アンドラに置くザルコは、イタリアを中心にミニバイクのレースに参戦すると、欧州選手権で2005年から2年連続して総合2位に進出(ジュニアクラスとシニアクラス)。
2007年に設立されたワンメイク大会、レッドブル・ルーキーズ・カップに挑戦すると全8戦中4勝を含む7度の表彰台を獲得して、初代王者に輝く。
世界舞台への挑戦は、2009年から。1年目総合20位、2年目総合11位。3年目の2011年にエアアジア・アジョ・デルビに移籍すると、47戦目となった第15戦日本GPで初優勝を挙げるなど、全17戦中11戦で表彰台を獲得する活躍で、最終戦バレンシアGPまでタイトル争いを展開して、総合2位を獲得。
翌年の2012年からMoto2クラスに参戦。1年目にモトビ(TSR)で総合10位、2年目にすーたーで総合9位、3年目に新規参戦のケータハム・レーシングからケータハム・スーターで総合6位に進出。
中量級4年目、キャリア7年目の2015年は、軽量級でタイトル争いを一緒に戦ったアジョ・モータースポーツに移籍すると、1年落ちのカレックスを走らせて、プレシーズンのオフィシャルテストから上位に進出。開幕戦カタールGPこそトップ独走中にラスト3ラップを残して、シフターが破損するトラブルによりアクシデントに見舞われたが、第3戦アルゼンチンGPで中量級初優勝(キャリア2勝目)を挙げて、ポイントリーダーに飛び出すと、第2戦アメリカズGPから第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPまで、6勝を含む12戦連続の表彰台を獲得。第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPでは、フランス人ライダーとして、史上初の3連勝、シーズン最多の6勝を達成。
中量級67戦目、キャリア117戦目となった第15戦日本GP、初優勝を挙げた思い出の舞台、ツインリンクもてぎで、シーズン7勝目を挙げ、Moto2クラスでは、フランス人として初めて、中量級ではジャン=ルイ・トルナドール(1982年)、クリスチャン・サロン(1984年)、オリビエ・ジャック(2000年)に続く4人目のチャンピオンに輝き、軽量級を制覇したマイク・ディ・メッリオ(2008年)以来となるタイトル獲得に成功。
タイトル連覇を目指して、アジョ・モータースポーツに残留した中量級5年目、キャリア8年目の2016年は、第8戦でオランダGPでポイントリーダーに飛び出した後、第9戦ドイツGPと第10戦オーストリアGPの連勝でライバルたちとのアドバンテージを広げると、第17戦マレーシアGPでシーズン6勝目を挙げ、中量級ではホルヘ・ロレンソ(2006年/2007年)以来となる2連覇を達成。
2017年は、2016年7月14日に契約を締結したモンスター・ヤマハ・テック3から最高峰クラスに初参戦する。