MotoGP第12戦サンマリノGPプレビュー
2023/09/06
MotoGP第12戦サンマリノGPが今週末、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット‐マルコ・シモンチェリで行なわれる。サンマリノGPの舞台であるミサノ・ワールド・サーキット‐マルコ・シモンチェリは全長4.23km、右コーナーが10、左コーナーが6、ストレートはわずか530m。短いストレートを中低速コーナーで繋いだテクニカルサーキットだ。
第11戦カタルニアGPで負傷したエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)は検査の結果、左足のくるぶしの骨折、左手の第二中手骨の複雑骨折が判明。後日、サンマリノGPとインドGP、そして日本GPの欠場が発表されている。また、同じく前戦負傷したフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)は検査の結果打撲のみで済んだことが判明し、今週末のレース参戦を目指すという。
2022年のサンマリノGPで一騎打ちのバトルを演じたバスティアニーニとバニャーヤが揃って欠場の可能性があるわけだが、昨年同様ドゥカティ勢が上位でレースを引っ張ることが予想される。特にチャンピオン争いにおいてバニャーヤとの差を詰めたいホルヘ・マルティン(ドゥカティ)とマルコ・ベゼッキ(ドゥカティ)にとって重要な1戦となるだろう。50ポイントという大差をつけられているだけにこれ以上の取りこぼしは許されない。バニャーヤが万全の状態ではない中、ポイント差を詰めることはできるのだろうか。
また、昨年3位表彰台を獲得しているのが現在好調をキープしているマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)だ。サーキット特性によってパフォーマンスにムラがある印象のアプリリアだが、ミサノではマシンとの相性も良い。さらに、前戦カタルニアでワンツーフィニッシュを達成し、勢いに乗っているアプリリア陣営。サテライトチームも含め、第12戦も間違いなく優勝争いを左右する存在になるだろう。
今大会、日本人ライダーはレギュラーライダーの中上貴晶(ホンダ)に加え、高橋巧(ホンダ)が8年ぶりに参戦する。第6戦イタリアGPのスプリントレースにて転倒を喫し、右足の脛骨と腓骨を骨折したアレックス・リンス(ホンダ)。治療とリハビリに専念すべく第6戦以降の欠場が続いていた。直近の3戦ではSBK(スーパーバイク世界選手権)でTeam HRCから参戦しているイケル・レクオナ(ホンダ)が代役を担当。しかし、MotoGP第12戦とSBK第9戦の日程が重なってしまうため、レクオナは代役を務めることができなくなってしまった。そこで高橋に白羽の矢が立ったというわけだ。国内外で多くの経験を積んでいる高橋は今年の鈴鹿8時間耐久ロードレースでTeam HRCの連覇に貢献、全日本ロード選手権でもST1000クラスで活躍している。高橋にとってはワイルドカードで参戦した2015年日本GP以来8年ぶりのMotoGPでのレースとなる。
Moto2クラスは、ポイントリーダーのペドロ・アコスタ(カレックス)が186ポイントで、ポイントランキング2位のトニー・アルボリーノ(カレックス)との差を22にまで拡げている。ランキング首位の座を奪われ、カタルニアGPでも苦戦を強いられたアルボリーノだが、第12戦は母国グランプリ。依然1勝で順位が変わるポイント差なだけに、地元で流れを変えたいところだ。日本人ライダー小椋藍(カレックス)は復調の兆しを見せており、すでに表彰台も獲得している。日本GPが控える中、今季初優勝を期待したい。野左根航汰(カレックス)は今シーズン初のポイント獲得を目指し巻き返しを図る。
Moto3クラスは、前戦カタルニアGPで佐々木歩夢(ハスクバーナ)が苦しみながらも4位入賞。ポイントリーダーのダニエル・オルガド(KTM)がリタイアしたことにより、両者のポイント差は13ポイントに縮まった。チャンピオン争いで優位に立つためには優勝が必要なだけに、サンマリノGPでの活躍に期待したい。カタルニアGPでは、山中琉聖(ガスガス)、鈴木竜生(ホンダ)、鳥羽海渡(ホンダ)、古里太陽(ホンダ)も入賞を果たしている。今大会も5名全員の上位進出を期待したい。
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