MotoGP第11戦オーストリア MotoGP決勝
2021/08/16
MotoGP第11戦オーストリア、MotoGPクラスは、オーストリアのレッド・ブルリンクで決勝レースを行ない、ブラッド・ビンダー(KTM)が優勝した。
MotoGPクラスの決勝レースは気温31度、路面温度41度のドライコンディションの下、28周でスタートしたが、スタート時点で空は雲っており、ドライレースが宣言されたものの、序盤から雨が落ち始めており、マシンの乗り換えを可能とするホワイトフラッグが振られる中、周回が進んで行った。
レースは3番グリッドからスタートしたフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)が序盤からリードし、ポールスタートのホルヘ・マルティン(ドゥカティ)、5番グリッドから好ダッシュを決めたマルク・マルケス(ホンダ)、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)らによる接戦のトップ争いが展開される。
レース中盤にはバニャーヤ、クアルタラロ、マルク・マルケスの3人が後続にやや差をつけてトップ争いを展開。マルティンはこの時点でトップ争いから少し遅れ始めていた。終盤に入ってもこのオーダーは変わらず、クアルタラロ、マルク・マルケスがバニャーヤに仕掛けるものの、バニャーヤもすぐにポジションを挽回し、接戦のバトルを展開する。
マルティンはトップ集団から約1秒半差の4番手に後退、ヨハン・ザルコ(ドゥカティ)、ジョアン・ミル(スズキ)らと4番手争いを展開していた。
ところが、レース終盤に差し掛かり、トップグループが22周目を終えたころに雨が強まり、コーナーポストからはレッドクロス旗が掲示される。これを見て真っ先に動いたのが、8番手を走っていたジャック・ミラー(ドゥカティ)と9番手を走っていたアレックス・リンス(スズキ)。ミラーとリンスは23周を終えてピットに入り、レインタイヤを履いたマシンに乗り換えて再びコースに出る。
続く24周を終えて、トップ集団のバニャーヤ、クアルタラロ、マルク・マルケスも次々にピットイン。ところが、このとき6番手につけていたビンダーは、ピットインせず、スリックタイヤのマシンでレースを続行することを決断。25周目のコントロールラインでトップに浮上する。
ビンダーは急激にウエットコンディションになる路面状況の中、スリックタイヤを履いたマシンを慎重にコントロール。レインタイヤを履いたマシンとのペースの違いは明らかだったものの、約7秒あまりあったリードを生かして残りの4周を走り切り、トップでチェッカーを受けた。
レインタイヤに交換したバニャーヤは12番手でコースに復帰。25周目に4番手まで上がると、最終ラップに2番手に浮上し、トップのビンダーを追ったが、12秒991遅れの2位でゴールとなった。なお、ビンダーは雨が本格的に降る前に受けたトラックリミットオーバーによるロングランペナルティを消化できなかったため、レースタイムに3秒のペナルティを受けたが、バニャーヤとの差が9.991秒となっただけで、順位に変更はなかった。
レインタイヤを履いたマシンに乗り換えたマルティンが3位に入賞。同じくレインのミルが4位でチェッカーを受けた。
スリックのまま走り切ったルカ・マリーニ(ドゥカティ)が5位、同じくイケル・レクオナ(KTM)が6位に続き、マリーニ、レクオナ共にMotoGPクラスベストリザルトを獲得。
クアルタラロはレインタイヤのマシンに乗り換えて7位に入賞。バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)はスリックのまま走り切り、今シーズンベストとなる8位に入賞した。9位にアレックス・マルケス(ホンダ)、10位にアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)が続き、共にスリックのまま走り切った。
レインを履いたマシンに乗り換えたミラーは11位に入賞。スリックのダニロ・ペトルッチ(KTM)が12位、同じくスリックのまま走り切った中上 貴晶(ホンダ)は13位入賞。レインを履いたマシンに乗り換えたリンスは14位入賞。マルク・マルケスはレインを履いたマシンに乗り換えて2周目の1コーナーで転倒。再スタートして15位に入賞した。
ポル・エスパルガロ(ホンダ)とカル・クロッチロウ(ヤマハ)はレインタイヤのマシンに乗り換えポル・エスパルガロが16位、クロッチロウが17位でチェッカーを受けた。
ミゲール・オリベイラ(KTM)は8番手走行中の23周目の1コーナーで転倒を喫しリタイア。ザルコは5番手走行中の18周目の9コーナーで転倒リタイアに終わり、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)は6周目にカウルが外れるトラブルに見舞われ、ピットに戻ってリタイアに終わった。
MotoGP第11戦オーストリアGP MotoGPクラス決勝結果
1 ブラッド・ビンダー(KTM)
2 フランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)
3 ホルヘ・マルティン(ドゥカティ)
4 ジョアン・ミル(スズキ)
5 ルカ・マリーニ(ドゥカティ)
6 イケル・レクオナ(KTM)
7 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)
8 バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
9 アレックス・マルケス(ホンダ)
10 アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)
11 ジャック・ミラー(ドゥカティ)
12 ダニロ・ペトルッチ(KTM)
13 中上 貴晶(ホンダ)
14 アレックス・リンス(スズキ)
15 マルク・マルケス(ホンダ)
16 ポル・エスパルガロ(ホンダ)
17 カル・クロッチロウ(ヤマハ)
R ミゲール・オリベイラ(KTM)
R ヨハン・ザルコ(ドゥカティ)
R エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)
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