全日本RR選手権開幕戦鈴鹿2&4決勝日の朝は雨がぱらついていた。朝8時15分から始まったウオームアップ走行はウエットコンディション。雨の鈴鹿は絶対の強さを見せる秋吉耕佑(au & テルル・Kohara RT)がトップタイムをマークする。
しかし雨は本格化することなく、4輪レースを挟んでJSB1000決勝が始まるころには路面はドライコンディションに。
好スタートを切ってホールショットを奪ったのは津田拓也(ヨシムラスズキシェルアドバンス)。背後につけた渡辺一樹(TeamGREEN)がオープニングラップでトップ奪取。渡辺、津田、高橋巧(MuSASHi RTハルク・プロ)の3台で三つ巴のトップ争いを開始。背後では中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)、山口辰也(TOHORacingwithMORIWAKI)、柳川明(TeamGREEN)の3台が4位争いに。
3周目。8番手を走行していた加賀山就臣(Team KAGAYAMA)が転倒。
トップ争いは4位争いの3台が加わり、6台の集団に。中須賀が一つずつ順位を上げる。5周目には津田をかわして2番手に浮上した中須賀。しかし津田もだまってはいない。津田は翌周には2番手を奪い返すと、さらに渡辺をも捕えてトップ浮上。この激しい争いにまずは柳川が、そして山口が遅れ出し、トップ集団は渡辺、津田、中須賀、高橋の4台に絞られる。4台はサイドbyサイドの激しいトップ争いを展開。
レース折り返しの10周が終了するころには、渡辺と中須賀の2位争いが激化したのに乗じて津田が集団から抜け出してトップ独走に入ろうとする。逆に高橋はペースが上がらず単独4番手走行を開始する。
13周目に周回遅れが多数出現。中須賀が上手に処理して渡辺を引き離しにかかる。これで津田、中須賀、渡辺、高橋の順で4台がそれぞれ単独走行に。
レース終盤。中須賀は津田に追いすがったが、その差を詰めることはできず、津田が開幕戦を制し、2013年筑波以来JSB2勝目をポールtoウインで飾った。中須賀は2位、渡辺が3位でフィニッシュ。高橋は表彰台を逃した。
●優勝・津田拓也(ヨシムラスズキシェルアドバンス)
「素直にうれしいです。前に優勝したのは2013年の筑波ですから、1年半ぶりくらいに優勝できました。まだ実感は沸いていなくて、単純に『勝ったな』と感じています。渡辺選手と中須賀選手が強かったけれど、中須賀選手はまだマシンが厳しいことは分かっていました。それでも、少しでも気を緩めると抜かれてしまいそうだったから最後まで全力でプッシュしました。今回優勝できたからと言って気を抜かず、シーズン最後まで全力でいきます」
●2位・中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)
「開幕デビューウインをねらってたので、非常に悔しいです。ただ、マシンがまとまればいつでもいける状態です。もう一つ、新型のYZF-R1と仲良くなれなかったのが敗因です。いずれにしても今日は津田選手が速かったです。2戦目が来週にあるので、気持ちを切り替えて、戦えるマシンにすれば、もう少しおもしろい展開になるでしょう。ライバルのレベルも上がっていますし、チャレンジャーとして全力でぶつかりたいです」
●3位・渡辺一樹(TeamGREEN)
「悔しいの一言です。テストからそこそこ調子がよかったのに順位を下げてしまい悔しいです。自分のバイクを作る能力がまだまだ足りないと感じたレースでした。今年はJSB3年目で大事なシーズンです。最初のレースでまず表彰台に上がれたことはネガティブではないので、この先バイクをしっかりと仕上げて、来週のオートポリスでは今度こそ勝ちたいです」