MotoGP第1戦タイGPプレビュー
2025/02/26
MotoGP第1戦タイGP開幕戦が今週末、タイ北東部のブリーラム県にあるチャーン・インターナショナル・サーキットで開催される。全長距離4.55km、最大ストレート1000m、右コーナー7、左コーナー5。
MotoGPクラスは、アプリリア移籍元年となる昨年王者ホルヘ・マルティン(アプリリア)が、2月上旬のセパンオフィシャルテストでの転倒による骨折に続き、トレーニング中に負った左手と左足骨折のため初戦は欠場。マルティンは手術を成功させ、復帰に向かっている。前年王者不在という珍しい状況で開幕を迎えることになった。アプリリアファクトリーからは、同じく移籍初年を迎えるマルコ・ベゼッキ(アプリリア)と代役で、テストライダーのロレンツォ・サルバドーリ(アプリリア)がタイGPに出場する。
昨年に続きアプリリア車で参戦のトラックハウス・レーシングには、日本人ライダー小椋藍(アプリリア)とラウル・フェルナンデス(アプリリア)が在籍。二人は2月上旬テストで転倒があったものの、小椋はこのサーキットで2月中旬に行なわれた公式テストでは11番手というルーキー最速記録を残した。日本人としては、期待を膨らませてしまう。
昨年度マルティンと最終戦までチャンピオン争いを展開した元王者フランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)は、チームメイトにマルク・マルケス(ドゥカティ)を迎え、MotoGPクラス合計8度のチャンピオンを持つ二人のライダーがドゥカティファクトリーでドリームチームを結成。ドゥカティ車で古巣VR46チームへ復帰となるフランコ・モルビデリ(ドゥカティ)、事前テストで鎖骨骨折を負ったものの開幕に回復を間に合わせる同チーム2年目のファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)。グレシーニで3年目となるアレックス・マルケス(ドゥカティ)、Moto2からステップアップのルーキー、フェルミン・アルデゲール(ドゥカティ)もグレシーニから参戦する。
親会社の経営問題に怯むことなく、ブラッド・ビンダー(KTM)、ペドロ・アコスタ(KTM)、エネア・バスティアニーニ(KTM)、マーベリック・ビニャーレス(KTM)の4人はRC16で6台のドゥカティ勢に立ち向かう。
2021年チャンピオンのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)とアレックス・リンス(ヤマハ)を擁するヤマハファクトリーは、この体制で2年目を迎える。ヤマハは更に、昨年チャンピオンチームのプリマ・プラマックとタッグを組み、ジャック・ミラー(ヤマハ)、ミゲール・オリベイラ(ヤマハ)という中堅ライダーと共に今年、戦闘力を高めている。
今年からホンダ・HRC・カストロールとなったホンダファクトリー勢のジョアン・ミル(ホンダ)、ルカ・マリーニ(ホンダ)は、事前テストは好感触で、昨年と違い楽しんで走ることが出来ているという。昨年からカストロール・ホンダ・LCRチームで奮闘を続けるヨハン・ザルコ(ホンダ)。地元タイでは、自国初のMotoGPライダーとして多くの注目を集めるルーキーのソムキャット・チャントラ(ホンダ)。開発ライダーとして、昨年までMotoGPで活躍したアレイシ・エスパロガロ、中上貴晶を控え、ホンダは万全の体制で2025年シーズン開幕を戦う。
Moto2クラスでは、2年目を迎え新たなチームでスタートする佐々木歩夢(カレックス)と昨年アジアスーパーバイク選手権と全日本選手権の2冠を獲得し、今年からMoto2参戦する國井勇輝(カレックス)、二人の日本人ライダーの活躍が期待される。
Moto3クラスには、山中琉聖(KTM)、古里太陽(ホンダ)の日本人ライダー二人が参戦する。コンストラクターの日本企業ホンダにも注目したい。
待ち続けた開幕、MotoGP第1戦タイGPの走行は金曜日、日本時間午前11時(現地時間午前9時)からMoto3フリー走行で始まる。
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