全日本RR第7戦岡山【JSB1000】手術直後の亀井雄大、欠場表明から一転、参戦へ
2022/09/17
前戦オートポリスでは3位表彰台を獲得している亀井。成績上昇中の注目株だ
全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに参戦中の亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)が、スーパーバイクレースin岡山に『驚異の』参戦をしている。亀井は、本大会に向けて事前テストが行なわれた9月9日(金)に、シケインで転倒し、左鎖骨を骨折した。そのために一時は欠場を表明していた亀井だったが、そこから一転、参戦を果たしたのだ。
テスト時の転倒の状況を聞く。
「新シケインの進入をオーバースピードで行って、左のゼブラで飛んじゃったんです。肩から落ちて、(左鎖骨は)けっこうバキバキでした」
チームスタッフも「こういう転倒は久しぶりだったね」と言う。
病院に行った亀井は「自分はいつも割と強気なんですけど、今回は恐る恐るという感じで聞いてみたんです。『実は今週レースなんですけど…出てもいいですか…?』って。ほら、ホルヘ(ロレンソ)も同じようなことをしていたでしょ」
すると医師は「足みたいに負荷の制限はない箇所だから、自己責任でなら出てもいいよ」と言ってもらえたという。それが今週の9月12日(月)のこと。「え、いいの? って感じだったけど、それからサーキットなど関係各所に連絡して出られることになりました」
9月14日(水)に骨折した左鎖骨の手術を行ない、チタンのプレートを入れた。そして翌15日(木)の昼に退院、スタッフがチームのバンで病院まで迎えに来てくれて、亀井は自宅に寄ることもせず岡山国際サーキットへ向かったのだった。
9月16日(金)、フリー走行が行なわれ、亀井は午前の走行1回目を6番手(1分32秒794)、午後の走行2本目を4番手(1分32秒238)で終えた。手術をしたばかりとは思えない結果だった。
「今日の走行は、1本目は痛かったけど、2本目はそんなに痛くなかった。左コーナーだけちょっと痛むくらい。ここは、去年も右足が折れて3週間くらいで出たところなんですよね」
ただ、転倒の影響は全くない訳ではないようだ。
「やっぱり、シケインはけっこう手前からブレーキしちゃってました。走行後にデータを見たら、そこだけでコンマ3秒くらい遅いので」
今回のレースでの目標を聞くと「榎戸選手や作本選手の後ろくらいでゴールできたらいいな」と意欲を見せた。
「今日は意外とタイムが落ちなかったけど、予選になるとみんなもペースを上げてくるだろうから、厳しくなるだろうと思っています。でもグリッド2列目には並びたい。ワンチャン1列目もねらっていきたいです。決勝は…10周くらいは大丈夫だと思うけど、24周はさすがに厳しいかな。なるべく集団にいないでいられるように、スタートを決めて前に出て行きたいです。とにかく転倒しないように頑張ります」
金曜日の走行後、氷のうで手術部分を冷やしながら自分の走行データを見つめていた亀井。「今は痛みはないの?」と聞くと「全く痛くないですよ。腕を動かすとプレートが当たるのかちょっと違和感があるくらい? どんどんよくなってる気がします。決勝まではまだ二日あるんで、もっとよくなるはず。大丈夫です!」と、若者らしい笑顔を見せた。決勝は9月18日(日)の14時から。亀井の走りに注目したい。
※台風14号接近の影響により、タイムスケジュールと決勝の周回数が変更になり、JSB1000クラスは13時10分からスタート、20周となりました。
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