MotoGP第5戦オーストリアGP MotoGP決勝
2020/08/17
MotoGP第5戦オーストリアGP、MotoGPクラスは、オーストリアのレッドブル・リンクで決勝レースを行ない、アンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)が優勝した。
MotoGPクラスの決勝レースは気温27度、路面温度53度のドライコンディションで争われた。
2番グリッドからスタートしたジャック・ミラー(ドゥカティ)がレースをリード。ドビジオーゾが2番手、3番手にポル・エスパルガロ(KTM)の順で続き、エスパルガロが6周目にトップに浮上する。
ところが、9周目の高速の2コーナーで、フランコ・モルビデリ(ヤマハ)のスリップから前に出ようとしたヨハン・ザルコ(ドゥカティ)がモルビデリに接触。両者激しく転倒し、ライダー二人は2コーナーアウト側のグラベルを転がり、2台のマシンは2コーナーのグラベルで止まらず、コースを突っ切り、3コーナーアウト側のグラベルまで飛ばされてしまう。
ザルコのマシンはちょうど3コーナーを立ち上がろうとしていたバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)の目の前を横切り、タイミングやラインがずれていれば直撃してもおかしくない非常に危険な状況だった。
ザルコはすぐに立ち上がり、モルビデリのもとへ駆け寄るが、モルビデリはしばらく動けず、担架に乗せられて駆け付けた救急車まで運ばれる。幸い、モルビデリは自力で救急車に乗り込むことができたが、メディカルセンターに運ばれた。
このアクシデントにより、レースは赤旗中断となり、8周目のコントロールライン通過順位で、残り20周で再スタートが切られることになった。
再スタートレースでは、ジョアン・ミル(スズキ)が好ダッシュを見せるが、ミラーが再びトップに立ってレースをリード。ポル・エスパルガロ、ドビジオーゾの順で続く。
ミラーは3周目には後続に約1秒のリードを取るが、逃げ切ることはできず。3周目に2番手に浮上したドビジオーゾがミラーとの差を縮める。ポル・エスパルガロはややペースが上がらず、6周目にはリンスに交わされて4番手に後退。リンスは7周目にファステストラップを記録するとトップを争うミラーとドビジオーゾに迫る。
いっぽう、ポル・エスパルガロはジョアン・ミル(スズキ)にも交わされて5番手に後退。ミゲール・オリベイラ(KTM)に背弧に迫られると9周目の4コーナーでラインを外し、オリベイラがそのインをつく。ところが、オリベイラがイン側で転倒。アウト側にいたポル・エスパルガロは巻き込まれて転倒し、2週連続で同じパターンでリタイアに終わった。オリベイラもこの時点で転倒リタイア。
トップ争いは10周目のホームストレートでドビジオーゾがミラーの前に出ることに成功。リンスもミラーを交わして2番手に浮上していたが、11周目の6コーナーで、ドビジオーゾを交わしてトップに立った直後、リンスは転倒を喫しリタイアに終わった。
これでトップ争いはドビジオーゾ、ミラー、ミルの3人によるバトルとなったが、終盤の残り5周あたりからドビジオーゾが抜け出し、単独トップに浮上。最終ラップにはその差を約1秒3まで拡大し、そのままトップでゴール。ドビジオーゾは昨年に続いてオーストリアGPを連勝、レッドブル・リンク通算3勝目を記録し、ドゥカティにとってMotoGPクラス通算50勝目を記録した。ただし、土曜日の段階で、ドビジオーゾは来年のドゥカティとの契約を更新しないことを明らかにしている。
2番手争いはミラーとミルが最終ラップまで接戦を展開。最終ラップの9コーナーでミラーのインをついたミルが2位に浮上し、MotoGPクラス初表彰台を獲得。ミラーは僅差の3位入賞。
4位にブラッド・ビンダー(KTM)が続き、ロッシが5位に入賞。中上 貴晶(ホンダ)は最初のレースの赤旗中断時14位で、再スタートレースを12番グリッドからスタート。序盤からロッシの後方につけて周回を重ね、ロッシに約コンマ6秒差の6位でゴールした。
7位にダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)が続き、最初のレースでコースオフし、赤旗中断時22位だったファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)は最後尾グリッドから追い上げて8位入賞。イケル・レクオナ(KTM)が、今シーズン初完走でMotoGPクラスベストリザルトとなる9位に入賞した。最初のレースでトップ集団の背後につけていたマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)は再開したレースではスタートで遅れ、10位入賞がやっとだった。
アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)が11位、ミケーレ・ピロ(ドゥカティ)が12位、ブラッドリー・スミス(アプリリア)が13位、アレックス・マルケス(ホンダ)が14位カル・クロッチロウ(ホンダ)が15位に入賞。
ティト・ラバット(ドゥカティ)は16位、ステファン・ブラドル(ホンダ)は17位に終わった。
チャンピオンシップ争いではクアルタラロがランキングトップをキープ。ドビジオーゾが11ポイント差のランキング2位に続き、ビニャーレスがドビジオーゾから8ポイント差のランキング3位につける。
次週も同じレッドブル・リンクでスティリアGPが開催される。
MotoGP第5戦オーストリアGP MotoGPクラス決勝結果
1 アンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)
2 ジョアン・ミル(スズキ)
3 ジャック・ミラー(ドゥカティ)
4 ブラッド・ビンダー(KTM)
5 バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
6 中上 貴晶(ホンダ)
7 ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)
8 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)
9 イケル・レクオナ(KTM)
10 マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
11 アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)
12 ミケーレ・ピロ(ドゥカティ)
13 ブラッドリー・スミス(アプリリア)
14 アレックス・マルケス(ホンダ)
15 カル・クロッチロウ(ホンダ)
16 ティト・ラバット(ドゥカティ)
17 ステファン・ブラドル(ホンダ)
R アレックス・リンス(スズキ)
R ポル・エスパルガロ(KTM)
R ミゲール・オリベイラ(KTM)
R フランコ・モルビデリ(ヤマハ)
R ヨハン・ザルコ(ドゥカティ)
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